当院における人工股関節置換術後の脱臼防止策

1996~1997年に人工股関節置換術後初回脱臼を生じ来院した患者は12例であった. 最終的に全例制限なく日常生活に復帰しているが7例は保存療法のみで脱臼が制御可能であったが5例は手術を要した. 脱臼の原因と予後を検討した結果インピンジメントによるもの4例は再手術を要し, 不良肢位によるもの3例は1例が手術を要し2例が生活指導により制御可能, 関節弛緩によるもの5例は全例保存療法のみで脱臼の制御可能であった. 従って不良肢位によるもの, 関節弛緩によるものは生活指導等によって防止できる可能性があると思われた. それぞれの症例の検討の結果, 人工股関節置換術後の脱臼の防止には 1)術前の生活環境...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 36; no. 6; p. 425
Main Authors 北村卓司, 三木秀宣, 増原建作
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 18.06.1999
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ISSN0034-351X

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Summary:1996~1997年に人工股関節置換術後初回脱臼を生じ来院した患者は12例であった. 最終的に全例制限なく日常生活に復帰しているが7例は保存療法のみで脱臼が制御可能であったが5例は手術を要した. 脱臼の原因と予後を検討した結果インピンジメントによるもの4例は再手術を要し, 不良肢位によるもの3例は1例が手術を要し2例が生活指導により制御可能, 関節弛緩によるもの5例は全例保存療法のみで脱臼の制御可能であった. 従って不良肢位によるもの, 関節弛緩によるものは生活指導等によって防止できる可能性があると思われた. それぞれの症例の検討の結果, 人工股関節置換術後の脱臼の防止には 1)術前の生活環境, 生活パターンの把握 2)脱臼危険肢位を取らないようにする徹底した指導 3)術前の筋力評価, 筋力トレーニング及び歩行訓練 4)術後日常生活動作の練習がとくに大切と考えられ具体策を実践中である.
ISSN:0034-351X