膝関節全置換術後に脛骨前方脱臼をきたした一例

「はじめに」今回私達は膝関節全置換術(以下TKAと略す)術後に脛骨前方脱臼をきたした1例を経験したので報告する. 「症例」症例:61歳女性 RA 現病歴:平成9年他院にて岡大式マークIVを用いた左TKAを施行された. 術後膝関節の動揺性が出現したため, 2ヶ月間膝装具を処方されていた. 平成12年3月より左膝痛が出現し, 9月から疼痛が増強したため当科を受診した. 既往歴として高血圧と気管支喘息があった. 初診時理学所見:左膝の熱感, 腫脹はなかったが外反変形を認め, 可動域(ROM)は伸展20°/屈曲30°で反張膝となっていた(図1). 足背動脈は触知良好で, 下肢の運動, 知覚障害はなかっ...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 51; no. 1; pp. 213 - 217
Main Authors 根間直人, 新垣寛, 平良貴志, 坂元秀行, 喜瀬均, 知念弘, 金谷文則
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.03.2002
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ISSN0037-1033

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Summary:「はじめに」今回私達は膝関節全置換術(以下TKAと略す)術後に脛骨前方脱臼をきたした1例を経験したので報告する. 「症例」症例:61歳女性 RA 現病歴:平成9年他院にて岡大式マークIVを用いた左TKAを施行された. 術後膝関節の動揺性が出現したため, 2ヶ月間膝装具を処方されていた. 平成12年3月より左膝痛が出現し, 9月から疼痛が増強したため当科を受診した. 既往歴として高血圧と気管支喘息があった. 初診時理学所見:左膝の熱感, 腫脹はなかったが外反変形を認め, 可動域(ROM)は伸展20°/屈曲30°で反張膝となっていた(図1). 足背動脈は触知良好で, 下肢の運動, 知覚障害はなかった. 初診時単純X線像:脛骨の前方脱臼と腓骨骨折を認め, 脛骨骨切り部の後方傾斜角は18°であった(図2). 徒手整復不能であったため, 手術目的に当科入院となった. 入院時検査所見:CRP 1.1, ESR 56と軽度炎症所見を認め, RA因子96.5(正常20以下)であったが, ワッセルマン反応は陰性, その他異常所見を認めなかった.
ISSN:0037-1033