聾学校に在籍する聴覚障害児の作文力に関する研究

【目的】聴覚障害児の日常のコミュニケーション手段に焦点を当てつつ, 聾学校に在籍する中学生, 高校生, 専攻科生の作文における誤用を発達的に分析し, その特徴を明らかにするとともに, 読書力および補足質問の結果との関連について検討することを目的とする. 【対象】聾学校に在籍する中学牛, 高校牛. 専攻科生. 対照群として普通高校に在籍する高校生. 【方法】作文:課題, 読書力診断検査, 補足質問を行った. 作文の分析では, 文数, 語数, 誤用数および誤用得点を算出し, 誤用項目について検討. 読書力診断検査では総得点を算出し, 補足質問項目の結果との関連を検討した. 【結果】(1)助詞の誤用...

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Published inコミュニケーション障害学 Vol. 20; no. 3; p. 166
Main Authors 後藤久美子, 進藤美津子, 荻野美佐子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本コミュニケーション障害学会 30.12.2003
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ISSN1347-8451

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Summary:【目的】聴覚障害児の日常のコミュニケーション手段に焦点を当てつつ, 聾学校に在籍する中学生, 高校生, 専攻科生の作文における誤用を発達的に分析し, その特徴を明らかにするとともに, 読書力および補足質問の結果との関連について検討することを目的とする. 【対象】聾学校に在籍する中学牛, 高校牛. 専攻科生. 対照群として普通高校に在籍する高校生. 【方法】作文:課題, 読書力診断検査, 補足質問を行った. 作文の分析では, 文数, 語数, 誤用数および誤用得点を算出し, 誤用項目について検討. 読書力診断検査では総得点を算出し, 補足質問項目の結果との関連を検討した. 【結果】(1)助詞の誤用は学年が進んでも減少しにくいことが示された. (2)読書力は学年が上がるにつれて上昇し, 作文全体における誤用割合は学年が上がるにつれて減少し, 両者には負の相関がみられた. (3)読書力が高い聴覚障害児ほど日常的なコミュニケーション手段として手話を使用している傾向にあり, 文章を書くことを難しいと感じていないことが示された.
ISSN:1347-8451