血液センターの業務集約に伴う血液製剤の供給体制について

【目的】九州ブロックの血液センターは, 血液製剤の安全性の向上, 医療機関への血液製剤の安定供給及び事業運営の効率的運営を図ることが急務であるとの共通認識により, 九州ブロックでの大規模な業務集約化を推進することとした. 平成20年1月に集約センターでの業務が稼動し九州8県の検査業務を実施する. 平成20年4月には長崎・大分・熊本・宮崎・鹿児島5県の製剤業務を1箇所の集約センターで実施する予定である. 現在, 赤十字血液センターの業務は, 全血採血による赤血球製剤, 全血採血由来新鮮凍結血製剤, 成分採血による濃厚血小板製剤, 成分採血由来新鮮凍結血漿製剤, 分画製剤原料の確保を行っている....

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Published in日本輸血細胞治療学会誌 Vol. 54; no. 1; p. 50
Main Authors 棚町博文, 柏木征三郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血・細胞治療学会 15.02.2008
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Summary:【目的】九州ブロックの血液センターは, 血液製剤の安全性の向上, 医療機関への血液製剤の安定供給及び事業運営の効率的運営を図ることが急務であるとの共通認識により, 九州ブロックでの大規模な業務集約化を推進することとした. 平成20年1月に集約センターでの業務が稼動し九州8県の検査業務を実施する. 平成20年4月には長崎・大分・熊本・宮崎・鹿児島5県の製剤業務を1箇所の集約センターで実施する予定である. 現在, 赤十字血液センターの業務は, 全血採血による赤血球製剤, 全血採血由来新鮮凍結血製剤, 成分採血による濃厚血小板製剤, 成分採血由来新鮮凍結血漿製剤, 分画製剤原料の確保を行っている. さらに国内献血による分画製剤用血漿確保については, 全血採血, 成分採血された原料血液を採血後6時間以内に分離凍結保存が必要である. 今回の九州ブロック各血液センター検査・製剤の集約に於ける医療機関への対応について述べる. 【方法】集約化センターで製品化された赤血球製剤は, 翌日各血液センターの必要在庫数を供給することにより供給数の3日分の在庫を確保する. また, 濃厚血小板は血液センターの夜間在庫とAM供給単位数の予測により翌日の供給本数を決定する. 洗浄赤血球製剤等の二次製剤は, 予約を原則とするが, 当日製造依頼分については集約施設を出発する90分前までに製剤課へ製造依頼し定時便により輸送する. 因子指定血はR1R1+Lea(-), R2R2+Lea(-)を各センターで必要数を在庫とし, オーダーに備える. 自己血は現行と同じく調製・保管を集約化施設で実施する. 依頼検査については血液センターで実施している項目は現状どおり実施するが検体が集約施設までの搬送が延長となる血液センターが出てくるので時間的な考慮が必要となる. なお, 予約が必要となる稀な血液型の血液製剤の供給については事前の予約制とし医療機関と輸血に関する情報の共有化と連携強化を図る. 【結び】さらに円滑な製造・供給体制の構築を強化する予定である.
ISSN:1881-3011