悪性リンパ腫に対するG-CSF併用・CHOP療法における末梢血幹細胞動態
目的:悪性リンパ腫に対するG-CSF併用・CHOP療法が末梢血幹細胞移植術を目的とした幹細胞採取に応用可能であるか否かを検討した. 対象・対法:(1)対象は初回発症の非ホジキンリンパ腫で, 骨髄浸潤を認めない症例. (2)CHOP療法(cyclophosphamide 750mg/平方メートル, adriamycin 40mg/平方メートル, vincristine 1.4mg/平方メートル, 第1日 predonisolone 40mg/平方メートル, 第1~5日)を4~6コース実施した. (3)G-CSF(leno-grastim)は2μg/kg, 皮下注で用い, CHOP療法の各コースで...
Saved in:
Published in | 日本輸血学会雑誌 Vol. 40; no. 1; pp. 187 - 188 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本輸血学会
1994
|
Online Access | Get full text |
ISSN | 0546-1448 |
Cover
Summary: | 目的:悪性リンパ腫に対するG-CSF併用・CHOP療法が末梢血幹細胞移植術を目的とした幹細胞採取に応用可能であるか否かを検討した. 対象・対法:(1)対象は初回発症の非ホジキンリンパ腫で, 骨髄浸潤を認めない症例. (2)CHOP療法(cyclophosphamide 750mg/平方メートル, adriamycin 40mg/平方メートル, vincristine 1.4mg/平方メートル, 第1日 predonisolone 40mg/平方メートル, 第1~5日)を4~6コース実施した. (3)G-CSF(leno-grastim)は2μg/kg, 皮下注で用い, CHOP療法の各コースでWBC3,000/立方メートル以下(3,000/立方メートル以下とならない場合は第10日目)より投与開始, 10,000/立方メートルまで上昇した時点で中止とし, 翌日より次コースのCHOP療法を施行した. (4)各コースにおける末梢血幹細胞数の変化をコロニー形成法とCD34陽性率によって検討した. 結果・考案:(1)1コース平均の治療日数とG-CSF投与日数は, それぞれ15日, 7.6日で, ほぼ2週間ごとの治療が可能であった. (2)末梢血のCFU-GMはG-CSF投与開始後約3日目から増加し, 症例によっては1,000ml以上に達した. (3)コースを重ねるに従い末梢血幹細胞が増加する傾向がみられた. (4)以上から本療法は末梢血幹細胞採取に有望な方法であると考えられる. |
---|---|
ISSN: | 0546-1448 |