レーザーを用いた根管内殺菌処理の有用性の検証

Staphylococcus aureus 209Pを用いて, 液中に浮遊させた状態あるいは抜去歯象牙質面上に付着させた状態でCO2レーザーあるいはNd:YAGレーザーを照射し, 殺菌効果を調べた. 菌を液中に浮遊させた場合, 液面に照射しても, 液内を回転照射しても有意な液温の上昇や菌の減少は認められなかった. 象牙質面上で菌に直接照射すると, 短時間で強力な殺菌効果を示したが, 歯面には炭化層の形成やクラックの発生などの悪影響がみられた. レーザーによる根管内殺菌処理は一部で臨床に応用されてはいるが, 現段階では必ずしも適切とはいえないことがわかった....

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Published in九州歯科学会雑誌 Vol. 59; no. 4; pp. 168 - 169
Main Authors 槙原正人, 柿川宏, 永松有紀, 陳克恭, 田島清司, 小園凱夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 九州歯科学会 25.10.2005
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ISSN0368-6833

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Summary:Staphylococcus aureus 209Pを用いて, 液中に浮遊させた状態あるいは抜去歯象牙質面上に付着させた状態でCO2レーザーあるいはNd:YAGレーザーを照射し, 殺菌効果を調べた. 菌を液中に浮遊させた場合, 液面に照射しても, 液内を回転照射しても有意な液温の上昇や菌の減少は認められなかった. 象牙質面上で菌に直接照射すると, 短時間で強力な殺菌効果を示したが, 歯面には炭化層の形成やクラックの発生などの悪影響がみられた. レーザーによる根管内殺菌処理は一部で臨床に応用されてはいるが, 現段階では必ずしも適切とはいえないことがわかった.
ISSN:0368-6833