RA患者における杖の有用性

「目的」慢性関節リウマチ患者における歩行補助具, 特に杖について調査検討した. 「方法」日本リウマチ友の会栃木支部の協力を得て郵送質問紙法により調査した. 「対象」総数291名中有効回答者数は188名であった. 「結果」身障手帳等級と罹病年数は有意に相関し, 現在杖使用者は87名でT字杖が60名と最も多く感想は「ほぼ満足」が70%を占めていた. また屋外において歩行補助具を使用する頻度が高かった. 杖の変更歴を有する者は34名でリハビリ訓練経験者は70.6%(188名中31.4%)であり, 杖の変更理由として医師の指導に基づくものは23.3%だった. 補助具使用群と未使用群では, 使用群は有意...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 34; no. 5; p. 360
Main Authors 秋谷典裕, 早乙女郁子, 中島雅彦, 橋本豊年, 佐々木頼夫, 赤沼栄, 鈴木大雅, 稲源一郎, 渋谷健一郎, 古市照人, 江藤文夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 18.05.1997
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ISSN0034-351X

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Summary:「目的」慢性関節リウマチ患者における歩行補助具, 特に杖について調査検討した. 「方法」日本リウマチ友の会栃木支部の協力を得て郵送質問紙法により調査した. 「対象」総数291名中有効回答者数は188名であった. 「結果」身障手帳等級と罹病年数は有意に相関し, 現在杖使用者は87名でT字杖が60名と最も多く感想は「ほぼ満足」が70%を占めていた. また屋外において歩行補助具を使用する頻度が高かった. 杖の変更歴を有する者は34名でリハビリ訓練経験者は70.6%(188名中31.4%)であり, 杖の変更理由として医師の指導に基づくものは23.3%だった. 補助具使用群と未使用群では, 使用群は有意に発症年齢が低く, かつ罹病年数が長く, 外出頻度も低かった. また手術既往群でも外出頻度が低い結果となった. 「まとめ」全体としてリハビリ訓練経験者が少なく, 家屋改造や手術施行時期等の調査検討を含めて, 補助具選択と工夫にさらなる改善の可能性があると思われた.
ISSN:0034-351X