高齢女性に外科的矯正手術を行った1例

「緒言」近年, 顎変形症に対する治療の知識や情報が雑誌やテレビ等のメディアを通して一般にも広く知れ渡るようになり, 外科的矯正治療が口腔外科領域において重要な位置を占めるようになってきた. 本邦では20~30代の年齢で行うのが一般的であるが, 外科的矯正治療を希望する成人患者の割合は増加している1,2). 今回われわれは, 上下顎臼歯部の多数歯欠損を伴い著しい過蓋咬合を呈する骨格性反対咬合の高齢女性に対する外科的矯正治療において, 矯正歯科だけでなく補綴科, 保存科など他科とのチームアプローチにより咬合機能を改善し, 審美的にも良好な結果が得られたので, 若干の考察を加え報告する. 「症例」患...

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Published in日本顎変形症学会雑誌 Vol. 20; no. 1; pp. 25 - 29
Main Authors 奥村映仁, 飛田尚慶, 大場誠悟, 中尾紀子, 朝比奈泉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本顎変形症学会 15.04.2010
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ISSN0916-7048

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Summary:「緒言」近年, 顎変形症に対する治療の知識や情報が雑誌やテレビ等のメディアを通して一般にも広く知れ渡るようになり, 外科的矯正治療が口腔外科領域において重要な位置を占めるようになってきた. 本邦では20~30代の年齢で行うのが一般的であるが, 外科的矯正治療を希望する成人患者の割合は増加している1,2). 今回われわれは, 上下顎臼歯部の多数歯欠損を伴い著しい過蓋咬合を呈する骨格性反対咬合の高齢女性に対する外科的矯正治療において, 矯正歯科だけでなく補綴科, 保存科など他科とのチームアプローチにより咬合機能を改善し, 審美的にも良好な結果が得られたので, 若干の考察を加え報告する. 「症例」患者:62歳 女性 初診日:2006年2月17日 主訴:不正咬合, 構音障害, および顔貌の非対称 既往歴:特記事項なし 家族歴:特記事項なし 現病歴:十数年前より咀嚼困難と審美面に不満を覚えていた. その後, 2005年12月に近医に相談したところ, 精査・加療を目的に当科を紹介され受診した.
ISSN:0916-7048