入院時アンケートによる患者の状況の把握
多忙な日常診療の中で, 患者の意志や社会的状況を細かく把握するのは容易ではない. 今回, 入院患者を対象に, 入院目的と今後の予定, 社会的状況, 心理的問題点, 治療に対する希望等からなる全27項目のアンケートを作成し, 患者本人または家族に記入してもらった. その結果, 患者の状況を少ない手間で細かく把握することが可能となり, 入院中の診療や退院後のケアプランの作成に有効であった. また集計の結果, 患者の状況を病院全体として把握することができ, 今後の方向性を検討する上で役立った. 特記すべき点としては, 社会資源に関する知識が乏しいこと, 心理的問題を抱えている場合が多いこと, 高齢者...
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Published in | リハビリテーション医学 Vol. 38; no. 5; p. 414 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本リハビリテーション医学会
18.05.2001
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0034-351X |
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Summary: | 多忙な日常診療の中で, 患者の意志や社会的状況を細かく把握するのは容易ではない. 今回, 入院患者を対象に, 入院目的と今後の予定, 社会的状況, 心理的問題点, 治療に対する希望等からなる全27項目のアンケートを作成し, 患者本人または家族に記入してもらった. その結果, 患者の状況を少ない手間で細かく把握することが可能となり, 入院中の診療や退院後のケアプランの作成に有効であった. また集計の結果, 患者の状況を病院全体として把握することができ, 今後の方向性を検討する上で役立った. 特記すべき点としては, 社会資源に関する知識が乏しいこと, 心理的問題を抱えている場合が多いこと, 高齢者が多いため治療方針は医師や家族に任せるケースが多かったことが挙げられる. 介護保険施行後, これまで以上に患者の状況を細かく把握することが求められているが, その際, このようなアンケートの実施は有効な手段になると考えられる. |
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ISSN: | 0034-351X |