血友病患者のG型肝炎ウイルス感染とHLA

【目的】G型肝炎ウイルス(HGV)に関するHGV-RNAとE2中和抗体の測定の結果, HGV-RNA陽性, E2中和抗体陰性のHGV持続感染群とHGV-RNA陰性, E2中和抗体陽性のHGV一過性感染群とに分類される. 今回, 血友病患者のHGV感染者における両群のHLA型を比較検討した. 【材料および方法】血友病患者でHGV持続感染群17名, HGV一過性感染群13名を対象とした. HGV-RNAは5非翻訳領域にプライマーを設定したnested PCR法にて, HGV抗体はELISAにて検出した. HLA型はHLA Class Iはserological typingをClass IIはse...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 45; no. 2; p. 203
Main Authors 高橋勲, 杉浦さよ子, 太田浩敏, 清水哲夫, 神谷忠, 小澤和郎, 高松純樹, 齋藤英彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 01.04.1999
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Summary:【目的】G型肝炎ウイルス(HGV)に関するHGV-RNAとE2中和抗体の測定の結果, HGV-RNA陽性, E2中和抗体陰性のHGV持続感染群とHGV-RNA陰性, E2中和抗体陽性のHGV一過性感染群とに分類される. 今回, 血友病患者のHGV感染者における両群のHLA型を比較検討した. 【材料および方法】血友病患者でHGV持続感染群17名, HGV一過性感染群13名を対象とした. HGV-RNAは5非翻訳領域にプライマーを設定したnested PCR法にて, HGV抗体はELISAにて検出した. HLA型はHLA Class Iはserological typingをClass IIはserological typingおよびPCR-RFLP法によるgenetic typingを行った. 【結果および考察】HLA Class IにおいてB52(HGV一過性感染群30.8%vs. HGV持続感染群0%, p値=0.0227), HLA Class IIにおいてDQ7(38.5%vs. 5.6%, p値=0.0338), DR15(46.7%vs. 11.1%, p値=0.0287), DRB1*1502(42.9%vs. 5.6%, p値=0.0171)であったが, 修正p値はいずれも>5%となり単独のHLAのみで統計的有意差は認められなかった. しかし, DQ7あるいはDR15を持つ群で検定を行うと(36.7%vs. 8.3%, p値=0.0014, 修正p値=0.05)と有意差が認められた. 以上の結果より宿主側HLAがHGVの排除あるいはHGV-E2中和抗体生成に関与していると思われた.
ISSN:0546-1448