封入体筋炎の2症例

封入体筋炎は特発性炎症性筋疾患の1つであり, 1967年Chouにより筋胞体内及び核内に封入体の存在が指摘されている. 封入体筋炎の臨床的特徴は, (1)男性に多く中高年に発症, (2)筋力低下は緩徐進行性で, 筋痛を伴わない, (3)近位筋と同程度ないしそれ以上に遠位筋の障害がみられ, 嚥下障害がみられることもある, (4)膠原病, 免疫異常を伴わない, (5)血清CKは正常ないし軽度上昇, の5点であるとされている. さらに, 病理学的には筋胞体内にrimmed vacuoleが認められ, また筋電図で神経原性を示す所見がしばしば認められ, 副腎皮質ホルモンによる治療は無効のことが多いとい...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 36; no. 6; p. 416
Main Authors 平松直美, 奈良聡一郎, 中村健, 蜂須賀研二, 緒方甫, 山本辰紀, 田中良哉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 18.06.1999
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ISSN0034-351X

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Summary:封入体筋炎は特発性炎症性筋疾患の1つであり, 1967年Chouにより筋胞体内及び核内に封入体の存在が指摘されている. 封入体筋炎の臨床的特徴は, (1)男性に多く中高年に発症, (2)筋力低下は緩徐進行性で, 筋痛を伴わない, (3)近位筋と同程度ないしそれ以上に遠位筋の障害がみられ, 嚥下障害がみられることもある, (4)膠原病, 免疫異常を伴わない, (5)血清CKは正常ないし軽度上昇, の5点であるとされている. さらに, 病理学的には筋胞体内にrimmed vacuoleが認められ, また筋電図で神経原性を示す所見がしばしば認められ, 副腎皮質ホルモンによる治療は無効のことが多いといわれている. 我々は封入体筋炎の2症例を経験したので, 臨床的特徴, リハビリテーションの注意点に関して報告した.
ISSN:0034-351X