血液型自動分析機とシステムの運用による抗体保有患者への適合血の確保について

当センターでも不規則性抗体保有患者への適合血の供給依頼が多く, 昨年一年間で合計300単位の血液が供給されている. これまでは任意の供給在庫分を中心として血液バッグのセグメントで確認試験を行っていたため, 各抗原因子の遺伝子頻度割合から必要本数以上の血液について検索を行う必要があった. 今回我々は, この問題点を解決するため以下の手順で検索の省力化を計っているので報告する. (1)オリンパス自動輸血検査装置(PK7100)によるRh(E)の自動判定 (2)ホストヘの情報転送・在庫血への情報付加 (3)供給部門における情報付加血液の検索 (4)検査部門における最終確認 以上の流れにより, 確認試...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 40; no. 1; p. 183
Main Authors 鹿野徳憲, 本間淳, 佐藤淳子, 藤原義一, 本田盈, 古本博, 酒谷真一, 加藤俊明, 関口定美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 1994
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ISSN0546-1448

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Summary:当センターでも不規則性抗体保有患者への適合血の供給依頼が多く, 昨年一年間で合計300単位の血液が供給されている. これまでは任意の供給在庫分を中心として血液バッグのセグメントで確認試験を行っていたため, 各抗原因子の遺伝子頻度割合から必要本数以上の血液について検索を行う必要があった. 今回我々は, この問題点を解決するため以下の手順で検索の省力化を計っているので報告する. (1)オリンパス自動輸血検査装置(PK7100)によるRh(E)の自動判定 (2)ホストヘの情報転送・在庫血への情報付加 (3)供給部門における情報付加血液の検索 (4)検査部門における最終確認 以上の流れにより, 確認試験を行うべき血液の本数, 並びに医療機関への供給にかかる時間とも大幅に減少した. さらに検査済みの因子情報を医療機関に提供することにより, 院内における在庫からの適合血確保が迅速となると思われる.
ISSN:0546-1448