インテリジェント膝継手を使用した股義足の歩行時エネルギー消費の検討
「目的」股離断者にインテリジェント膝継手(以下IP膝)を使用し, 積極的な義足訓練プログラムを行った後に歩行能力を評価すること. 「対象」股離断者2名(症例1:55歳, 症例2:51歳, ともに女性). 両者とも他の施設で義足訓練を受け日常生活に復帰したが, 歩行能に満足できず当センターを訪れた. 「方法」両者ともドイツOtto Bock社製3R15膝継手を使用していた. 入院時に従来の義足を使用し, いろいろな歩行速度(30,50,70m/min)におけるエネルギー消費を携帯型呼吸代謝計測装置を用いて計測した. そしてIP膝継手を使用し, 入院の上積極的な義足訓練プログラムを行った後に, 同...
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Published in | リハビリテーション医学 Vol. 37; no. 11; p. 790 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本リハビリテーション医学会
18.11.2000
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ISSN | 0034-351X |
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Summary: | 「目的」股離断者にインテリジェント膝継手(以下IP膝)を使用し, 積極的な義足訓練プログラムを行った後に歩行能力を評価すること. 「対象」股離断者2名(症例1:55歳, 症例2:51歳, ともに女性). 両者とも他の施設で義足訓練を受け日常生活に復帰したが, 歩行能に満足できず当センターを訪れた. 「方法」両者ともドイツOtto Bock社製3R15膝継手を使用していた. 入院時に従来の義足を使用し, いろいろな歩行速度(30,50,70m/min)におけるエネルギー消費を携帯型呼吸代謝計測装置を用いて計測した. そしてIP膝継手を使用し, 入院の上積極的な義足訓練プログラムを行った後に, 同様にエネルギー消費を計測した. 「結果と考察」エネルギー消費の指標として酸素消費率(ml/kg/min), 酸素コスト(ml/kg/m)を採用した. 症例1では各歩行速度において, IP膝継手のほうが従来の膝継手より酸素消費率が有意に低かった. 症例2では30m/minにおいて差はなかったが, 50,70m/minにおいて, IP膝継手のほうが酸素消費率が有意に低かった. 症例1ではIP膝継手使用時, 従来の膝継手使用の酸素コストの最低値はともに70m/minであった. 症例2ではIP膝継手使用時, 従来の膝継手使用時の酸素コストの最低値はともに70m/minであった. 酸素コストでみた場合の快適歩行速度は差を認めなかったが, IP膝継手を使用することにより酸素消費率の低下を認め, 股義足歩行時の身体的負担を軽減できるものと考えられた. |
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ISSN: | 0034-351X |