新生仔マウス頭蓋冠に対するEGFのin vitro における影響

我々は, EGFの骨組織に対する作用を検討するため, 新生仔マウス頭蓋冠を組織片培養し, 骨片のALP活性, acid-P活性, コラーゲン合成および位相差顕微鏡による形態像について検討した。培養骨片の control 群, および実験群に対する位相差顕微鏡像では, 形態的に骨吸収は認められなかった。また, 骨片中の acid-P 活性にも有意な変化は認められなかったが, ALP活性の減少およびコラーゲン合成に抑制が認められた。以上の結果から, EGFは骨に対しては直接骨の吸収に関与するのではなく, むしろ骨基質中のコラーゲンに働きその合成を抑制する作用を有していることが示唆された。...

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Published in日本歯周病学会会誌 Vol. 25; no. 4; pp. 868 - 873
Main Authors 西村, 司郎, 池田, 克巳, 栗原, 徳善, 高野, 和明, 久米川, 正好
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本歯周病学会 28.12.1983
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ISSN0385-0110
1880-408X
DOI10.2329/perio.25.868

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Summary:我々は, EGFの骨組織に対する作用を検討するため, 新生仔マウス頭蓋冠を組織片培養し, 骨片のALP活性, acid-P活性, コラーゲン合成および位相差顕微鏡による形態像について検討した。培養骨片の control 群, および実験群に対する位相差顕微鏡像では, 形態的に骨吸収は認められなかった。また, 骨片中の acid-P 活性にも有意な変化は認められなかったが, ALP活性の減少およびコラーゲン合成に抑制が認められた。以上の結果から, EGFは骨に対しては直接骨の吸収に関与するのではなく, むしろ骨基質中のコラーゲンに働きその合成を抑制する作用を有していることが示唆された。
ISSN:0385-0110
1880-408X
DOI:10.2329/perio.25.868