アトピー遺伝子の同定

アトピーの合理的な定義は定まっていないにもかかわらず,近年連鎖解析によるアトピー遺伝子の染色体における座位に関する報告が見られる.アトピー遺伝子は高親和性IgEFc受容体β鎖ないしその近くの遺伝子であるという英国からの報告があるが,追認されてはいない.一方,血清総IgE値を規定する遺伝子が,染色体5q31にあるという報告がある.しかし我々の相関解析では,染色体11q13にもそのような遺伝子が存在する可能性がある.今後の検討によりアトピーの分子論的機序が明らかにされ,それに基づいてアトピーの新たな定義が定まることが期待される....

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Published in日本内科学会雑誌 Vol. 85; no. 6; pp. 942 - 947
Main Authors 川上, 義和, 山口, 悦郎, 檜澤, 伸之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内科学会 10.06.1996
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ISSN0021-5384
1883-2083
DOI10.2169/naika.85.942

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Summary:アトピーの合理的な定義は定まっていないにもかかわらず,近年連鎖解析によるアトピー遺伝子の染色体における座位に関する報告が見られる.アトピー遺伝子は高親和性IgEFc受容体β鎖ないしその近くの遺伝子であるという英国からの報告があるが,追認されてはいない.一方,血清総IgE値を規定する遺伝子が,染色体5q31にあるという報告がある.しかし我々の相関解析では,染色体11q13にもそのような遺伝子が存在する可能性がある.今後の検討によりアトピーの分子論的機序が明らかにされ,それに基づいてアトピーの新たな定義が定まることが期待される.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.85.942