V-Aバイパス法を用いた悪性腫瘍に対する全身温熱療法 血行動態を中心に
進行末期癌10例に対してV-Aバイパスを用いた全身温熱療法を12回行い、バイパス前後の血行動態を中心に検討を加え、併せて血液、血清成分の推移と臨床例の成績も報告した。本法はA-Vバイパス法に比し欠点も多いが、我々は将来長時間バイパスを考慮しているために、膜型人工肺を用いた、より心負荷の少ないV-Aバイパス法を選択している。本法では全身血管抵抗、肺血管抵抗が前値の約1/2にまで低下、中心静脈圧、肺動脈圧もバイパス中は低値を示した。心拍出量は前値の2倍にまで増加したが、1回拍出量と左室仕事量は著明な増減は認めなかった。血小板数は術後1日目には前値の50%以下を示した。LDH、GOT、GPT、クレア...
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Published in | 人工臓器 Vol. 14; no. 3; pp. 1672 - 1675 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本人工臓器学会
15.06.1985
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0300-0818 1883-6097 |
DOI | 10.11392/jsao1972.14.1672 |
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Summary: | 進行末期癌10例に対してV-Aバイパスを用いた全身温熱療法を12回行い、バイパス前後の血行動態を中心に検討を加え、併せて血液、血清成分の推移と臨床例の成績も報告した。本法はA-Vバイパス法に比し欠点も多いが、我々は将来長時間バイパスを考慮しているために、膜型人工肺を用いた、より心負荷の少ないV-Aバイパス法を選択している。本法では全身血管抵抗、肺血管抵抗が前値の約1/2にまで低下、中心静脈圧、肺動脈圧もバイパス中は低値を示した。心拍出量は前値の2倍にまで増加したが、1回拍出量と左室仕事量は著明な増減は認めなかった。血小板数は術後1日目には前値の50%以下を示した。LDH、GOT、GPT、クレアチニンは、バイパス中上昇するが無機リンは低値を示した。血糖値はバイパス中は高値を示したが、コレステロール、トリグリセライドは低値を示した。腫瘍縮少効果は2例に認め、癌性疼痛が軽減したものは4例であった。 |
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ISSN: | 0300-0818 1883-6097 |
DOI: | 10.11392/jsao1972.14.1672 |