続発性副甲状腺機能亢進症に合併した甲状腺微小癌
昭和61年11月から平成3年3月までの間に29例 (男性16例, 女性13例) の続発性副甲状腺機能亢進症に対し副甲状腺全摘術および前腕筋肉内への自家移植術を施行した. 我々は異所性の副甲状腺や微小腺による本症の再発を防止する目的で, 全例に対し通常の4腺摘出に加えて頸部リンパ節郭清と両側胸腺舌区切除を同時に行ってきた. その結果29例中3例 (10.3%) の摘出リンパ節および胸腺の中から甲状腺癌の転移 (すべて乳頭癌) を発見し, うち2例に甲状腺葉切除を行い微小癌 (大きさ各々2.5×1.0mm, 1.0×1.5mm) を発見した. 更に追加切除を行わなかった残りの1例は後に顕性癌へ進行...
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Published in | 日本透析療法学会雑誌 Vol. 26; no. 8; pp. 1381 - 1385 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
社団法人 日本透析医学会
28.08.1993
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Subjects | |
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ISSN | 0911-5889 1884-6211 |
DOI | 10.4009/jsdt1985.26.1381 |
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Summary: | 昭和61年11月から平成3年3月までの間に29例 (男性16例, 女性13例) の続発性副甲状腺機能亢進症に対し副甲状腺全摘術および前腕筋肉内への自家移植術を施行した. 我々は異所性の副甲状腺や微小腺による本症の再発を防止する目的で, 全例に対し通常の4腺摘出に加えて頸部リンパ節郭清と両側胸腺舌区切除を同時に行ってきた. その結果29例中3例 (10.3%) の摘出リンパ節および胸腺の中から甲状腺癌の転移 (すべて乳頭癌) を発見し, うち2例に甲状腺葉切除を行い微小癌 (大きさ各々2.5×1.0mm, 1.0×1.5mm) を発見した. 更に追加切除を行わなかった残りの1例は後に顕性癌へ進行した. 本症の外科的治療に際しこの手術方法をとった結果, 甲状腺癌の転移を発見した場合は更に追加手術を行ったほうがよいと思われる. |
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ISSN: | 0911-5889 1884-6211 |
DOI: | 10.4009/jsdt1985.26.1381 |