ブロモクリプチン抵抗性プロラクチノーマの術後血清および髄液プロラクチン分画の動態

ゲル濾過クロマトグラフィーによってヒト血清のプロラクチン(PRL)を分析すると, 通常little型, big型, big-big型と呼ばれる3個のPRLが得られる6, 9, 15, 16). これら3者は, 血清のみならず髄液9), 羊水4)やプロラクチノーマ抽出液16)などでも認められるが, PRL全体に占める3者の比率は一定でなく, 疾患15, 16)やTRH刺激5)で変化することが知られている. しかし, それらの生理学的意義についてはいまだ明確ではなく, 特にbig型とbig-big型PRLについてはその存在や起源も含め不明な点が少なくない. 一方, bromocriptineのプロ...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inNeurologia medico-chirurgica Vol. 27; no. 3; pp. 195 - 201
Main Authors 坂本哲也, 古和田正悦, 長谷川祐人, 石野裕子, 峯浦一喜, 脇坂晟, 福島峯子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科学会 01.03.1987
Online AccessGet full text
ISSN0470-8105

Cover

More Information
Summary:ゲル濾過クロマトグラフィーによってヒト血清のプロラクチン(PRL)を分析すると, 通常little型, big型, big-big型と呼ばれる3個のPRLが得られる6, 9, 15, 16). これら3者は, 血清のみならず髄液9), 羊水4)やプロラクチノーマ抽出液16)などでも認められるが, PRL全体に占める3者の比率は一定でなく, 疾患15, 16)やTRH刺激5)で変化することが知られている. しかし, それらの生理学的意義についてはいまだ明確ではなく, 特にbig型とbig-big型PRLについてはその存在や起源も含め不明な点が少なくない. 一方, bromocriptineのプロラクチノーマ縮小効果は数多く報告されている2, 13, 14, 17, 19). その作用機序の詳細は明らかではないが, bromocriptineによるPRL分泌抑制が契機となって細胞内器官の萎縮をもたらすものと考えられている9). しかし, それに対する反論もある19).
ISSN:0470-8105