AおよびB型転移酵素測定用試薬の検討

ABO型物質の生合成に関与する糖転移酵素の測定は, 主に血液型判定の困難な変異型の検索に利用されている. 今回, A遺伝子, B遺伝子の産物である糖転移酵素活性を, 血球凝集反応を利用した方法で測定する試薬キットの検討を試みたので報告する. (1)各反応温度(4℃, R.T., 37℃, 45℃)と反応時間との酵素活性(2)保存状態(室温, 冷蔵庫, フリーザー)の酵素活性に与える影響(3)血清量と酵素活性(4)血液型変異型の酵素活性 酵素活性は37℃で最も反応が強く, A転換酵素の反応時間は2~3時間, B転換酵素では30分よりも短い反応時間で測定したほうがいい様に思われた. 血清中の型転換...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 29; no. 4; p. 384
Main Authors 木川喜栄子, 山端久美子, 菊地正幸, 後藤健治, 伊藤忠一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 01.10.1983
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ISSN0546-1448

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Summary:ABO型物質の生合成に関与する糖転移酵素の測定は, 主に血液型判定の困難な変異型の検索に利用されている. 今回, A遺伝子, B遺伝子の産物である糖転移酵素活性を, 血球凝集反応を利用した方法で測定する試薬キットの検討を試みたので報告する. (1)各反応温度(4℃, R.T., 37℃, 45℃)と反応時間との酵素活性(2)保存状態(室温, 冷蔵庫, フリーザー)の酵素活性に与える影響(3)血清量と酵素活性(4)血液型変異型の酵素活性 酵素活性は37℃で最も反応が強く, A転換酵素の反応時間は2~3時間, B転換酵素では30分よりも短い反応時間で測定したほうがいい様に思われた. 血清中の型転換酵素は, 溶血の影響を受けずまた, 保存にも耐え得ることがわかった. 今後, 種々変異型の測定や疾患との関連性など検討していきたい.
ISSN:0546-1448