家族の健康福祉を考える

食育基本法は, 単に子どもたちの食事, 健康・心身の成長に焦点をあてるのではなく, 人格の形成・豊かな人間性・生きる力を育むことに拡がり, また食料自給率の向上, 食の安全, 豊かな食文化の形成と農漁村の活性化, そして地域文化の形成を目指している. 大量生産と大量消費の間には食品製造, スーパー, ファミレス等の巨大なフードシステムが横たわり, この中で食品添加物や脂質, そして石油(化学肥料, ハウス栽培, 輸送)が大量に使用され, 不健康と生活の危機をはらんでいる. 農村に生きる女性は, 直接自然と深く関わり, また様々な年代の者の健康と幸せを守る立場にある. だからこそ食を楽しみ, 味...

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Published in日本農村医学会雑誌 Vol. 57; no. 1; p. 50
Main Author 野口美和子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本農村医学会 30.05.2008
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ISSN0468-2513

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Summary:食育基本法は, 単に子どもたちの食事, 健康・心身の成長に焦点をあてるのではなく, 人格の形成・豊かな人間性・生きる力を育むことに拡がり, また食料自給率の向上, 食の安全, 豊かな食文化の形成と農漁村の活性化, そして地域文化の形成を目指している. 大量生産と大量消費の間には食品製造, スーパー, ファミレス等の巨大なフードシステムが横たわり, この中で食品添加物や脂質, そして石油(化学肥料, ハウス栽培, 輸送)が大量に使用され, 不健康と生活の危機をはらんでいる. 農村に生きる女性は, 直接自然と深く関わり, また様々な年代の者の健康と幸せを守る立場にある. だからこそ食を楽しみ, 味覚を育て好き嫌いを直す, 自然に親しみ, 地域文化を大切にその技を身につける, 石油への依存を減らす視点から日々の生活を点検するなど, 家族・子孫の健康福祉を守る上でやれることが沢山ある.
ISSN:0468-2513