当院における新鮮凍結血漿の使用状況

「目的」 平成11年6月に血液製剤の使用指針が改定されたことから, 当院では同年8月開催の輸血療法委員会において改定内容の概要を周知した. 今回, 新鮮凍結血漿(FFP)の使用状況を把握することを目的に調査を行ったので報告する. 「方法」 対象期間は, 平成11年10月から同年12月の3ヶ月間と平成12年6月から同年8月までの各3ヶ月間とした. 調査内容は, 輸血患者数, FFP輸血患者数, 輸血用血液製剤の単位数, FFP投与前後の凝固検査(PT値, APTT値)の実施状況などを検討した. 「成績」 平成11年の3ヶ月間に輸血を施行した患者は456名であった. このうちFFP投与患者は142...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 47; no. 2; p. 249
Main Authors 風間あきみ, 小本美奈, 高野波留美, 遠藤成子, 八木和世, 平田泰良, 大谷慎一, 小原邦義, 柿田章
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 01.04.2001
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ISSN0546-1448

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Summary:「目的」 平成11年6月に血液製剤の使用指針が改定されたことから, 当院では同年8月開催の輸血療法委員会において改定内容の概要を周知した. 今回, 新鮮凍結血漿(FFP)の使用状況を把握することを目的に調査を行ったので報告する. 「方法」 対象期間は, 平成11年10月から同年12月の3ヶ月間と平成12年6月から同年8月までの各3ヶ月間とした. 調査内容は, 輸血患者数, FFP輸血患者数, 輸血用血液製剤の単位数, FFP投与前後の凝固検査(PT値, APTT値)の実施状況などを検討した. 「成績」 平成11年の3ヶ月間に輸血を施行した患者は456名であった. このうちFFP投与患者は142名(31.1%)に3033単位が使用されていた. 平成12年の3ヶ月間の輸血患者数は416名, FFPは2476単位を116名(27.9%)に輸血していた. 調査対象の月は異なるが輸血患者数, FFP輸血患者数, FFP使用単位数は減少傾向にあった. また, FFP投与前後の凝固検査は, 平成11年は142名中30名(21.1%), 平成12年は116名中40名(34.5%)に実施されていた. 「まとめ」 当院では, 輸血検査, 凝固検査などの緊急検査は24時間体制で対応している. 血液製剤の使用指針の視点から凝固検査とFFP輸血を考察した場合, 指針はまだ臨床側に浸透していないように考えられる. 今後, 輸血オーダーシステムの改善, 輸血療法委員会などの活動を通じて血液製剤の適正使用を推進してゆきたい.
ISSN:0546-1448