開胸肺生検後に自然寛解を示した Bronchiolitis Obliterans Organizing Pneumonia (BOOP) の1例

64歳女性. 約3ヵ月前からの労作性呼吸困難を訴え, 1986年9月9日入院. 患者は1978年から1986年6月までフェノール樹脂の研麿作業に従事していた. 理学的には両側胸部の下半で吸気末期の fine crackles を聴取し, 胸部X線で両下肺野に小粒状影が認められ, 拘束性換気障害と運動負荷後のPaO2の低下が認められた. 開胸肺生検で肺病変は間質性肺炎の一型であるBOOPと診断され, 病理組織学的および肺組織の細菌学的検査では原因不明であった. 症状軽度のため無治療で経過観察したところ, 6ヵ月後には明らかな自然寛解が確認された....

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Published in日本胸部疾患学会雑誌 Vol. 26; no. 8; pp. 904 - 910
Main Authors 泉, 孝英, 川西, 康夫, 北市, 正則, 中山, 昌彦, 浅妻, 茂生, 辻, 重行, 栗山, 卓弥, 大野, 聖子, 長井, 苑子, 中橋, 弥生, 中村, 昇
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 社団法人 日本呼吸器学会 25.08.1988
Subjects
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ISSN0301-1542
1883-471X
DOI10.11389/jjrs1963.26.8_904

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Summary:64歳女性. 約3ヵ月前からの労作性呼吸困難を訴え, 1986年9月9日入院. 患者は1978年から1986年6月までフェノール樹脂の研麿作業に従事していた. 理学的には両側胸部の下半で吸気末期の fine crackles を聴取し, 胸部X線で両下肺野に小粒状影が認められ, 拘束性換気障害と運動負荷後のPaO2の低下が認められた. 開胸肺生検で肺病変は間質性肺炎の一型であるBOOPと診断され, 病理組織学的および肺組織の細菌学的検査では原因不明であった. 症状軽度のため無治療で経過観察したところ, 6ヵ月後には明らかな自然寛解が確認された.
ISSN:0301-1542
1883-471X
DOI:10.11389/jjrs1963.26.8_904