腹部内臓動脈破裂症例のIVR治療

われわれは1993年から2003年までに腹部内臓動脈破裂11例を経験した.男性9例, 女性2例で, 47~68歳であった.主訴は腹痛とCPAを含めたショックが6例, 消化管出血2例であった.責任動脈は膵十二指腸動脈3例, 脾動脈と上腸間膜動脈が各2例, 左腎動脈, 下腸間膜動脈, 左および右胃動脈であった.誘因となる病態や基礎疾患として腹腔動脈起始部狭窄, 慢性膵炎, 腹部手術, 高血圧を各2例, ほかに肝硬変, 大動脈解離を認めた.治療はTAEを9例に, TAE後の2例を含め手術を4例に行った.死亡は2例であった.TAEは低侵襲で血管造影検査に引き続き施行できるため, 時間的なロスがなく,...

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Published in日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 25; no. 6; pp. 825 - 828
Main Authors 藤野, 靖久, 小鹿, 雅博, 遠藤, 重厚, 今井, 聡子, 小野, 寺誠, 佐藤, 信博, 鈴木, 泰, 八重樫, 泰法, 井上, 義博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 30.09.2005
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ISSN1340-2242
1882-4781
DOI10.11231/jaem1993.25.825

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Summary:われわれは1993年から2003年までに腹部内臓動脈破裂11例を経験した.男性9例, 女性2例で, 47~68歳であった.主訴は腹痛とCPAを含めたショックが6例, 消化管出血2例であった.責任動脈は膵十二指腸動脈3例, 脾動脈と上腸間膜動脈が各2例, 左腎動脈, 下腸間膜動脈, 左および右胃動脈であった.誘因となる病態や基礎疾患として腹腔動脈起始部狭窄, 慢性膵炎, 腹部手術, 高血圧を各2例, ほかに肝硬変, 大動脈解離を認めた.治療はTAEを9例に, TAE後の2例を含め手術を4例に行った.死亡は2例であった.TAEは低侵襲で血管造影検査に引き続き施行できるため, 時間的なロスがなく, 腹部内臓動脈破裂には第1選択の治療であると考えられた.
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem1993.25.825