結核性全膿胸に対する剥皮術後に発生した再膨張性肺水腫の2症例

結核性膿胸の剥皮術後に発生した再膨張性肺水腫の2症例を経験した. 2例とも肺の圧排されていた期間が比較的短い結核性全膿胸であり, 術前に閉鎖性ドレナージを施行した. 1例はドレナージ後, 右肺全葉の拡張が不良で剥皮術後, 全肺野の再膨張性肺水腫となりステロイド療法と人工呼吸管理で治癒した. 他の1例はドレナージ後, 右中下葉の拡張が不良で剥皮術後, 中下葉の再膨張性肺水腫となり, ステロイド療法のみで治癒した. 比較的経過の短い結核性全膿胸の剥皮術後, 術前に拡張の悪い肺領域に再膨張性肺水腫の発生することがあるため, 術後管理に注意を要すると思われた....

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Published in日本胸部疾患学会雑誌 Vol. 31; no. 5; pp. 614 - 618
Main Authors 伊賀, 六一, 野守, 裕明, 小林, 龍一郎
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 社団法人 日本呼吸器学会 25.05.1993
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ISSN0301-1542
1883-471X
DOI10.11389/jjrs1963.31.614

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Summary:結核性膿胸の剥皮術後に発生した再膨張性肺水腫の2症例を経験した. 2例とも肺の圧排されていた期間が比較的短い結核性全膿胸であり, 術前に閉鎖性ドレナージを施行した. 1例はドレナージ後, 右肺全葉の拡張が不良で剥皮術後, 全肺野の再膨張性肺水腫となりステロイド療法と人工呼吸管理で治癒した. 他の1例はドレナージ後, 右中下葉の拡張が不良で剥皮術後, 中下葉の再膨張性肺水腫となり, ステロイド療法のみで治癒した. 比較的経過の短い結核性全膿胸の剥皮術後, 術前に拡張の悪い肺領域に再膨張性肺水腫の発生することがあるため, 術後管理に注意を要すると思われた.
ISSN:0301-1542
1883-471X
DOI:10.11389/jjrs1963.31.614