合成高分子素材の血液凝固因子活性におよぼす影響について とくにポリプロピレンとその共重合体ならびにポリアマイド系化合物(ナイロン)について
抗血栓性材料作成のための基礎的知見を得る目的で, プロピレンとそのエチレン共重合体ならびにポリアマイド化合物の素材試料表面のヒト標準血漿凝固因子活性への影響について検討した. ポリプロピレンとそのエチレン共重合体では, 凝固因子IIは活性値増加の傾向, 凝固因子V, Xは活性値減少の傾向を示し, 凝固因子VIIは活性値減少を示した. また, 凝固因子VIIIは活性値増強を示した. 他方, ポリアマイド化合物では凝固因子I, IIの活性値低下を示すにとどまった. これらの変化は素材表面と凝固因子との相互作用では化学構造による特異性のあることを示すもので抗血栓性材料作成にあたっては重要な新知見と考...
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Published in | 人工臓器 Vol. 11; no. 5; pp. 908 - 911 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本人工臓器学会
15.10.1982
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Subjects | |
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ISSN | 0300-0818 1883-6097 |
DOI | 10.11392/jsao1972.11.908 |
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Summary: | 抗血栓性材料作成のための基礎的知見を得る目的で, プロピレンとそのエチレン共重合体ならびにポリアマイド化合物の素材試料表面のヒト標準血漿凝固因子活性への影響について検討した. ポリプロピレンとそのエチレン共重合体では, 凝固因子IIは活性値増加の傾向, 凝固因子V, Xは活性値減少の傾向を示し, 凝固因子VIIは活性値減少を示した. また, 凝固因子VIIIは活性値増強を示した. 他方, ポリアマイド化合物では凝固因子I, IIの活性値低下を示すにとどまった. これらの変化は素材表面と凝固因子との相互作用では化学構造による特異性のあることを示すもので抗血栓性材料作成にあたっては重要な新知見と考えられる. |
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ISSN: | 0300-0818 1883-6097 |
DOI: | 10.11392/jsao1972.11.908 |