当院におけるハイパーサーミアの現状と新しい試み

【目的】サーモトロンRF-8(山本ビニター製)を, 平成11年6月に導入して以来満4年を迎え, 平成14年5月からは2台稼働している. この間の(1)稼働状況, (2)治療パターン, (3)一定期間(平成13年6月~平成14年5月)の治療結果(特に肺癌), (4)今後の新たな試み, 等について分析, 検討したので報告する. 【対象】平成13年6月から平成14年5月までの, 他施設で治療の手だてがないと言われた臨床病期第4期の癌患者を対象とした. 温熱単独群と, 温熱と化学療法併用(少量投与)群を週1~5回の回数別に比較検討した. 【結果】(1)週3~5回の連続治療を試み, 良好な結果が得られた...

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Published in日本ハイパーサーミア学会誌 Vol. 19; no. 4; pp. 207 - 208
Main Authors 福島靖之, 江原ひとみ, 山口貴美香, 小林晶子, 松尾恵子, 濱子真有美, 中島弘二, 岡村一博, 吉村孝一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ハイパーサーミア学会 01.12.2003
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ISSN0911-2529

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Summary:【目的】サーモトロンRF-8(山本ビニター製)を, 平成11年6月に導入して以来満4年を迎え, 平成14年5月からは2台稼働している. この間の(1)稼働状況, (2)治療パターン, (3)一定期間(平成13年6月~平成14年5月)の治療結果(特に肺癌), (4)今後の新たな試み, 等について分析, 検討したので報告する. 【対象】平成13年6月から平成14年5月までの, 他施設で治療の手だてがないと言われた臨床病期第4期の癌患者を対象とした. 温熱単独群と, 温熱と化学療法併用(少量投与)群を週1~5回の回数別に比較検討した. 【結果】(1)週3~5回の連続治療を試み, 良好な結果が得られた. (2)抗癌剤の少量投与によって, 抗癌剤の副作用も軽減され, 温熱治療との併用により良好な結果が得られた. (3)なるべく高出力にする事が望ましく, CR, PRを望むには1200~1500Wの出力が必要と考えられた. 【まとめ】この温熱治療が腫瘍縮小および疼痛の軽減など, QOLの改善に大きく役立つことがわかり, 患者自身も苦痛なく治療できるため, ますます利用されると思われる. 更に, 新たな取り組みとして, 高気圧酸素療法との併用や, 腫瘍部を特異的に高温にする方法も検討している.
ISSN:0911-2529