Detachable balloon を用いて塞栓術を施行した両側多発性肺動静脈瘻の1例

一過性脳虚血発作を初発症状として発見された両側多発性肺動静脈瘻に対し, Detachable balloon を用いて肺動脈塞栓術を施行した. 症例, 31歳男性. 右上下肢の筋力低下を主訴に来院. 低酸素血症・多血症・労作時呼吸困難を認め, 肺動脈造影にて右A3・左A6・A8・A10に肺動静脈瘻を認めた. 心臓カテーテル検査ではシャント率は25.8%であった. 本症例に対して Detachable balloon を用いた肺動脈塞栓術を施行した. その結果, 自覚症状・血液ガスデータ・シャント率の改善を認め, 本法は肺動静脈瘻に対して有効な治療法と考えられた. 本症例のような両側・多発性に肺...

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Published in日本胸部疾患学会雑誌 Vol. 31; no. 1; pp. 84 - 87
Main Authors 金子, 教宏, 山田, 峰彦, 大塚, 英彦, 秋澤, 孝則, 成島, 道昭, 田中, 一正, 刑部, 義美, 鈴木, 一, 野口, 英世, 鈴木, 真
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 社団法人 日本呼吸器学会 25.01.1993
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Summary:一過性脳虚血発作を初発症状として発見された両側多発性肺動静脈瘻に対し, Detachable balloon を用いて肺動脈塞栓術を施行した. 症例, 31歳男性. 右上下肢の筋力低下を主訴に来院. 低酸素血症・多血症・労作時呼吸困難を認め, 肺動脈造影にて右A3・左A6・A8・A10に肺動静脈瘻を認めた. 心臓カテーテル検査ではシャント率は25.8%であった. 本症例に対して Detachable balloon を用いた肺動脈塞栓術を施行した. その結果, 自覚症状・血液ガスデータ・シャント率の改善を認め, 本法は肺動静脈瘻に対して有効な治療法と考えられた. 本症例のような両側・多発性に肺動静脈瘻が存在する場合肺動脈塞栓術は有用な治療法と思われた.
ISSN:0301-1542
1883-471X
DOI:10.11389/jjrs1963.31.84