小児急性鼻副鼻腔炎の治療戦略 急性鼻副鼻腔炎診療ガイドライン2010年度版をもとに

近年急性鼻副鼻腔炎はその主たる起炎菌である S. pneumoniae や H. influenzae の耐性化の増加により,経口抗菌薬投与によっても症状が改善せず遷延したり,一旦治癒しても再発を繰り返したりする難治症例が増加している。また,小児の場合,成人と異なり投与可能な経口抗菌薬に制限があり,抗菌薬の選択に難渋する場合もある。 今回,このような状況にある急性鼻副鼻腔炎症例に適切に対応し,また限りある抗菌薬を適切に使用するために,「急性鼻副鼻腔炎診療ガイドライン2010年度版」が作成された。急性鼻副鼻腔炎診療の point に従いこのガイドラインは,その構成が,1)診断・検査,2)治療,3...

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Published in小児耳鼻咽喉科 Vol. 32; no. 3; pp. 291 - 296
Main Author 宇野, 芳史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本小児耳鼻咽喉科学会 01.12.2011
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ISSN0919-5858
2186-5957
DOI10.11374/shonijibi.32.291

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Summary:近年急性鼻副鼻腔炎はその主たる起炎菌である S. pneumoniae や H. influenzae の耐性化の増加により,経口抗菌薬投与によっても症状が改善せず遷延したり,一旦治癒しても再発を繰り返したりする難治症例が増加している。また,小児の場合,成人と異なり投与可能な経口抗菌薬に制限があり,抗菌薬の選択に難渋する場合もある。 今回,このような状況にある急性鼻副鼻腔炎症例に適切に対応し,また限りある抗菌薬を適切に使用するために,「急性鼻副鼻腔炎診療ガイドライン2010年度版」が作成された。急性鼻副鼻腔炎診療の point に従いこのガイドラインは,その構成が,1)診断・検査,2)治療,3)合併症,その他からなり,各々に clinical question とそれに対し,国内外から文献の収集を行いエビデンスレベルを決定し answer を作成すると同時に推奨度を決定し推奨グレードも記載している。 このガイドラインをもとに小児急性鼻副鼻腔炎の治療について検討を行うと同時に,このガイドラインに従い治療を行った当院での小児急性鼻副鼻腔炎症例の治療成績からガイドラインの有用性を検討した。
ISSN:0919-5858
2186-5957
DOI:10.11374/shonijibi.32.291