胃癌の術前照射 とくに電子顕微鏡的研究を中心として

胃癌患者に放射線療法を行い, 胃癌細胞の超微構造上の変化を観察し, 照射方法や, 線量と癌細胞との微細変化を検討し, より有効的な照射方法を確立することを目的として検討を加えた結果, 1) 単独照射群における電子顕微鏡的な障害像は, 3,000rad以上の照射例で著明であった. 2) 5Fu併用群では, 同一線量の単独照射群に比較し, 核内構造および糸粒体の変化が著明であった. 3) これらの結果より, 根治照射を目的としない胃癌術前照射における至適線量は, 3,000~4,000radと考えられ, その際5Fuの併用は細胞障害を著しく増強するため, 5Fu併用例の総線量は, 2,000~3,...

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 8; no. 6; pp. 557 - 569
Main Author 名和, 肇
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 01.11.1975
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ISSN0386-9768
1348-9372
DOI10.5833/jjgs.8.557

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Summary:胃癌患者に放射線療法を行い, 胃癌細胞の超微構造上の変化を観察し, 照射方法や, 線量と癌細胞との微細変化を検討し, より有効的な照射方法を確立することを目的として検討を加えた結果, 1) 単独照射群における電子顕微鏡的な障害像は, 3,000rad以上の照射例で著明であった. 2) 5Fu併用群では, 同一線量の単独照射群に比較し, 核内構造および糸粒体の変化が著明であった. 3) これらの結果より, 根治照射を目的としない胃癌術前照射における至適線量は, 3,000~4,000radと考えられ, その際5Fuの併用は細胞障害を著しく増強するため, 5Fu併用例の総線量は, 2,000~3,000radで充分であると考えられた.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.8.557