切断肢のエネルギー代謝に関する実験的研究 イヌ切断肢内骨格筋のアデニンヌクレオチド濃度,尿酸濃度の経時的変化について

ヒトでの切断肢再接着術の適応を決定し,成績を予測するための基礎的研究としてイヌの切断肢の骨格筋に含まれるアデニンヌクレオチド濃度およびエネルギー代謝の最終生産物である尿酸濃度の経時的変化について検討した. イヌの上腕を中央部で切断, これを室温(18℃)で保存し,切断直後,切断後1,2,3,5,8,12時間の計7回にわたって尺側手根屈筋から検体を採取し,それぞれのATP,ADP,AMP,尿酸濃度を測定したところ,ATP濃度と尿酸濃度とは負の相関関係を示し,ATP濃度は経時的に減少,尿酸濃度は増加していた. 以上の成績から,切断肢の骨格筋内のATP濃度,尿酸濃度は阻血により生じる骨格筋の無酸素障...

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Published inプリン・ピリミジン代謝 Vol. 15; no. 1; pp. 1 - 8
Main Authors 高橋, 文人, 室田, 景久, 入山, 啓治, 宮川, 忠彦, 吉浦, 昌彦, 富田, 泰次
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本痛風・核酸代謝学会 01.07.1991
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ISSN0916-2836
2187-0101
DOI10.14867/gnam1989.15.1_1

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Summary:ヒトでの切断肢再接着術の適応を決定し,成績を予測するための基礎的研究としてイヌの切断肢の骨格筋に含まれるアデニンヌクレオチド濃度およびエネルギー代謝の最終生産物である尿酸濃度の経時的変化について検討した. イヌの上腕を中央部で切断, これを室温(18℃)で保存し,切断直後,切断後1,2,3,5,8,12時間の計7回にわたって尺側手根屈筋から検体を採取し,それぞれのATP,ADP,AMP,尿酸濃度を測定したところ,ATP濃度と尿酸濃度とは負の相関関係を示し,ATP濃度は経時的に減少,尿酸濃度は増加していた. 以上の成績から,切断肢の骨格筋内のATP濃度,尿酸濃度は阻血により生じる骨格筋の無酸素障害の程度を知るのに有用と考える.
ISSN:0916-2836
2187-0101
DOI:10.14867/gnam1989.15.1_1