子ども用強み注目尺度の作成と信頼性・妥当性の検討

本研究の目的は,子ども用強み注目尺度を作成し,その信頼性と妥当性を検討することであった。小中学生487名を対象に確認的因子分析を行った結果,子ども用強み注目尺度は大学生用の尺度と同様に「自己の強みへの注目」7項目と「他者の強みへの注目」8項目の15項目2因子構造の尺度であることが示された。また,許容範囲の信頼性(内的整合性・再検査信頼性)と一部の妥当性(構造的な側面の証拠,外的な側面の証拠)を有する尺度であることが示された。さらに,性別と発達段階で得点に差が認められ,中学生は小学生よりも自己の強みへの注目が低く,男子は女子よりも他者の強みへの注目が低いことが示された。最後に,既存の概念との弁別...

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Published inパーソナリティ研究 Vol. 28; no. 1; pp. 42 - 53
Main Authors 阿部, 望, 岸田, 広平, 石川, 信一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本パーソナリティ心理学会 01.07.2019
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Summary:本研究の目的は,子ども用強み注目尺度を作成し,その信頼性と妥当性を検討することであった。小中学生487名を対象に確認的因子分析を行った結果,子ども用強み注目尺度は大学生用の尺度と同様に「自己の強みへの注目」7項目と「他者の強みへの注目」8項目の15項目2因子構造の尺度であることが示された。また,許容範囲の信頼性(内的整合性・再検査信頼性)と一部の妥当性(構造的な側面の証拠,外的な側面の証拠)を有する尺度であることが示された。さらに,性別と発達段階で得点に差が認められ,中学生は小学生よりも自己の強みへの注目が低く,男子は女子よりも他者の強みへの注目が低いことが示された。最後に,既存の概念との弁別や一般化可能性についての本研究の限界と今後の課題が議論された。
ISSN:1348-8406
1349-6174
DOI:10.2132/personality.28.1.6