孤立性腹部内臓動脈解離の2例

「I はじめに」腹部内臓動脈解離は, 突然発症し, 動脈瘤の形成や破裂, 血管閉塞につながりうる病態であるが, 最近では画像診断の発展により早期の確定診断が可能となってきており, 保存的治療によって改善する症例もみられる. 今回我々は, 孤立性腹部内臓動脈解離症例を2例経験したので報告する. 「II 症例」患者1: 57歳, 男性. 主訴: 臍周囲痛. 既往歴: 特記事項なし. 喫煙歴: 20本/日, 40年間. 飲酒歴: 機会飲酒. 現病歴: 2012年4月, 特に誘因なく, 臍を中心とした腹痛が出現し近医を受診. 解熱鎮痛剤の坐薬を使用するも改善しないため, 同日当院救急外来へ紹介受診とな...

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Published in信州医学雑誌 Vol. 63; no. 3; pp. 167 - 172
Main Authors 清水, 文彰, 土屋, 拓司, 福島, 健太郎, 鈴木, 史恭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 信州医学会 10.06.2015
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ISSN0037-3826
1884-6580
DOI10.11441/shinshumedj.63.167

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Summary:「I はじめに」腹部内臓動脈解離は, 突然発症し, 動脈瘤の形成や破裂, 血管閉塞につながりうる病態であるが, 最近では画像診断の発展により早期の確定診断が可能となってきており, 保存的治療によって改善する症例もみられる. 今回我々は, 孤立性腹部内臓動脈解離症例を2例経験したので報告する. 「II 症例」患者1: 57歳, 男性. 主訴: 臍周囲痛. 既往歴: 特記事項なし. 喫煙歴: 20本/日, 40年間. 飲酒歴: 機会飲酒. 現病歴: 2012年4月, 特に誘因なく, 臍を中心とした腹痛が出現し近医を受診. 解熱鎮痛剤の坐薬を使用するも改善しないため, 同日当院救急外来へ紹介受診となった. 身体所見: 身長162cm, 体重67kg. 血圧169/86mmHg, 脈拍78回/分. 触診では臍周囲の自発痛を認めたが, 腹部全体の圧痛, 腹膜刺激症状や筋性防御は認めなかった.
ISSN:0037-3826
1884-6580
DOI:10.11441/shinshumedj.63.167