外傷後めまい症例における重心動揺と聴覚・味覚・嗅覚の検討

「緒言」軽度の外傷後に生ずるめまいは, 比較的多い症状であるが, その多くは早期に改善する. しかし脳MRIなどの画像所見に異常を認めないにもかかわらず, 慢性的なめまい・ふらつきとともに耳鳴, 難聴, 嗅覚・味覚障害などの多彩な症状が持続する症例を経験することがある. このような平衡障害がどのような機転で生じているのかを解明するために, 平衡機能検査と神経耳科学的な検査所見との関連を検討した. なお論文を外傷性めまいとせず, 外傷後めまいとしたのは, 外傷そのものは軽度で, 画像上責任病巣を特定できない症例であり, 外傷によって直接生じた障害だけでなく, 外傷後に2次的に生じた心因性などその...

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Published inEquilibrium Research Vol. 76; no. 2; pp. 63 - 71
Main Authors 相馬, 啓子, 國弘, 幸伸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published Kyoto 一般社団法人 日本めまい平衡医学会 01.01.2017
日本めまい平衡医学会
Japan Science and Technology Agency
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ISSN0385-5716
1882-577X
DOI10.3757/jser.76.63

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Summary:「緒言」軽度の外傷後に生ずるめまいは, 比較的多い症状であるが, その多くは早期に改善する. しかし脳MRIなどの画像所見に異常を認めないにもかかわらず, 慢性的なめまい・ふらつきとともに耳鳴, 難聴, 嗅覚・味覚障害などの多彩な症状が持続する症例を経験することがある. このような平衡障害がどのような機転で生じているのかを解明するために, 平衡機能検査と神経耳科学的な検査所見との関連を検討した. なお論文を外傷性めまいとせず, 外傷後めまいとしたのは, 外傷そのものは軽度で, 画像上責任病巣を特定できない症例であり, 外傷によって直接生じた障害だけでなく, 外傷後に2次的に生じた心因性などその他の要因によることも否定できないためである. 「対象」2011年5月~2013年7月の期間に川崎市立川崎病院耳鼻咽喉科を受診し, 外傷後にめまいが生じたと問診票に記載した254例 (男性115名, 女性139名, 16歳~76歳, 平均44.2歳) を対象とした.
Bibliography:ObjectType-Article-1
SourceType-Scholarly Journals-1
ObjectType-Feature-2
content type line 14
ISSN:0385-5716
1882-577X
DOI:10.3757/jser.76.63