重症急性カフェイン中毒の1例

症例は20歳代,女性.自殺目的にカフェイン(無水カフェインにして約15 g)を自室内で大量に内服し倒れていたところを家族に発見され,救急要請となった.病院到着時に心室細動となったため体外循環を含む心肺蘇生を開始し集中治療室に入室した.血液検査で著明なアシドーシスと低カリウム血症が判明し,持続的血液濾過透析とカリウム持続投与による電解質補正も実施したところ,来院後356分に洞調律へ復帰した.第2病日に撮影した頭部CTでは皮髄境界の不明瞭化があり,脳波検査では脳波の平坦化が認められた.第3病日,低酸素脳症により脳予後は厳しい旨を家族へ病状説明し,急変時に蘇生処置は行わない方針となり,第8病日永眠し...

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Published inTHE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 73; no. 2; pp. 149 - 154
Main Authors 福島, 一憲, 中島, 潤, 二瓶, 拓史, 尾花, 裕太, 大嶋, 清宏, 森, 瑞樹, 一色, 雄太, 河野, 慧, 伊藤, あゆみ, 市川, 優美, 澤田, 悠輔, 山田, 知義, 青山, 大貴, 荒巻, 裕斗
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 北関東医学会 01.05.2023
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ISSN1343-2826
1881-1191
DOI10.2974/kmj.73.149

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Summary:症例は20歳代,女性.自殺目的にカフェイン(無水カフェインにして約15 g)を自室内で大量に内服し倒れていたところを家族に発見され,救急要請となった.病院到着時に心室細動となったため体外循環を含む心肺蘇生を開始し集中治療室に入室した.血液検査で著明なアシドーシスと低カリウム血症が判明し,持続的血液濾過透析とカリウム持続投与による電解質補正も実施したところ,来院後356分に洞調律へ復帰した.第2病日に撮影した頭部CTでは皮髄境界の不明瞭化があり,脳波検査では脳波の平坦化が認められた.第3病日,低酸素脳症により脳予後は厳しい旨を家族へ病状説明し,急変時に蘇生処置は行わない方針となり,第8病日永眠した.致死量以上のカフェイン摂取が推定される場合,応需する医療機関は急変の危険性について救急隊へ情報共有するとともに,来院後の急変に対する環境を整備する必要がある.
ISSN:1343-2826
1881-1191
DOI:10.2974/kmj.73.149