シンポジウム「東アジアにおける将来の有蹄類個体群の管理に向けた探求」の記録

本シンポジウムでは,まず東アジア諸国において生息数過剰となった有蹄類個体群の管理の現状について情報共有を行った.次いで,欧州での先行事例を参考に,将来の個体数管理に関わる留意点や戦略を論議した.狩猟は,欧州諸国では野生動物管理システムの重要要素として認識されているが,娯楽目的の狩猟者に依存しすぎることによるリスクも顕在化している.狩猟者は,より多くの収穫を得ることを最重要視し,生息数過剰によって生じる諸問題を軽視しがちなためである.東アジア諸国においては,欧州で生じているこの問題について,十分に留意しておく必要性が指摘された....

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Published in哺乳類科学 Vol. 56; no. 2; pp. 233 - 239
Main Authors 鈴木, 正嗣, 伊吾田, 宏正, 上野, 真由美, 荒木, 良太
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本哺乳類学会 2016
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Summary:本シンポジウムでは,まず東アジア諸国において生息数過剰となった有蹄類個体群の管理の現状について情報共有を行った.次いで,欧州での先行事例を参考に,将来の個体数管理に関わる留意点や戦略を論議した.狩猟は,欧州諸国では野生動物管理システムの重要要素として認識されているが,娯楽目的の狩猟者に依存しすぎることによるリスクも顕在化している.狩猟者は,より多くの収穫を得ることを最重要視し,生息数過剰によって生じる諸問題を軽視しがちなためである.東アジア諸国においては,欧州で生じているこの問題について,十分に留意しておく必要性が指摘された.
ISSN:0385-437X
1881-526X
DOI:10.11238/mammalianscience.56.233