睡眠呼吸障害の診断と治療 (小児, 成人)―診断
睡眠呼吸障害 (SDB) の診断は, 睡眠検査によってなされ, 終夜睡眠ポリグラフ (PSG) 検査が成人および小児においてゴールドスタンダードとされる. 睡眠検査結果を見る際, 無呼吸低呼吸指数 (AHI) 値などのパラメータが並ぶサマリーシートのみでなく, 代表的な5分間生波形画面, およびトレンドグラム (ヒプノグラム) にて呼吸イベント (無呼吸, 低呼吸, いびき), 酸素飽和度, および睡眠 (覚醒反応, 睡眠段階) の様子を確認し, 患者にも説明するようにしたい. 実地臨床現場にて SDB が疑われる全例に対して PSG を行うのは現実的ではなく, 携帯型装置 (OCST) が多...
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Published in | 日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 122; no. 12; pp. 1502 - 1507 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
20.12.2019
日本耳鼻咽喉科学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0030-6622 1883-0854 |
DOI | 10.3950/jibiinkoka.122.1502 |
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Summary: | 睡眠呼吸障害 (SDB) の診断は, 睡眠検査によってなされ, 終夜睡眠ポリグラフ (PSG) 検査が成人および小児においてゴールドスタンダードとされる. 睡眠検査結果を見る際, 無呼吸低呼吸指数 (AHI) 値などのパラメータが並ぶサマリーシートのみでなく, 代表的な5分間生波形画面, およびトレンドグラム (ヒプノグラム) にて呼吸イベント (無呼吸, 低呼吸, いびき), 酸素飽和度, および睡眠 (覚醒反応, 睡眠段階) の様子を確認し, 患者にも説明するようにしたい. 実地臨床現場にて SDB が疑われる全例に対して PSG を行うのは現実的ではなく, 携帯型装置 (OCST) が多く使用されている. 携帯型装置を使用する際, “基準値以上であるという確定診断はカットオフ値を高くすれば可能である一方, 基準値未満であるという除外診断はカットオフ値を低くしても難しい” という特性があることを理解する必要がある. そのほかの口腔・咽頭視診, 内視鏡検査, 画像検査等の諸検査は補助的診断となる. この中で個々の症例の睡眠中の実際の咽頭虚脱のしやすさ, その様子を直接見ることができるという点で, 薬物睡眠下内視鏡検査 (DISE) が有益で優れる. 今後, 舌下神経刺激治療 (HNS) が広まるにつれ, 耳鼻咽喉科医がさらに本検査に取り組んでいく必要が出てくると思われる. SDB 診療は他診療科との連携の上で行われ, 耳鼻咽喉科専門医も PSG に関する知識を深めるべきと考える. 同時に, 口腔・咽頭視診, 内視鏡検査, 画像検査, 鼻腔通気度検査等の大切さを他診療科に理解していただくよう, 連携を深めていくことが重要である. |
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ISSN: | 0030-6622 1883-0854 |
DOI: | 10.3950/jibiinkoka.122.1502 |