挿管困難を契機に発見された気管気管支骨軟骨形成症

全身麻酔時の気管挿管困難から偶然発見された気管気管支骨軟骨形成症の症例を経験した.急性虫垂炎の66歳女性.麻酔導入後のマスク換気は容易で,喉頭展開で声門部に異常はなかった.内径7.0mmの気管チューブを挿管しようとしたが,声門下に抵抗があり挿管できなかった.マスク換気を続けながら術前CTを確認すると,気管腹側(前面)に径2〜3mmの隆起性病変を認め,これがチューブを進められない原因と推測された.内径6.0mmのチューブを回転させることで挿管できた.手術は行われ,術後精査で気管気管支骨軟骨形成症と診断された.予期せぬ気管狭窄による挿管困難の原因として気管気管支骨軟骨形成症を念頭に置く必要がある....

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 41; no. 2; pp. 152 - 155
Main Authors 木村, 哲, 新山, 幸俊, 今野, 俊宏, 小玉, 早穂子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 15.03.2021
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.41.152

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Summary:全身麻酔時の気管挿管困難から偶然発見された気管気管支骨軟骨形成症の症例を経験した.急性虫垂炎の66歳女性.麻酔導入後のマスク換気は容易で,喉頭展開で声門部に異常はなかった.内径7.0mmの気管チューブを挿管しようとしたが,声門下に抵抗があり挿管できなかった.マスク換気を続けながら術前CTを確認すると,気管腹側(前面)に径2〜3mmの隆起性病変を認め,これがチューブを進められない原因と推測された.内径6.0mmのチューブを回転させることで挿管できた.手術は行われ,術後精査で気管気管支骨軟骨形成症と診断された.予期せぬ気管狭窄による挿管困難の原因として気管気管支骨軟骨形成症を念頭に置く必要がある.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.41.152