骨髄に形成されるリンパ濾胞・リンパ球集簇巣のクローナリティについての分子生物学的解析

骨髄穿刺吸引材料あるいは骨髄生検材料において,リンパ濾胞・リンパ球集簇巣が認められることがある。本研究では,これらが反応性増殖であるのか腫瘍性増殖であるのかを解明するために,11症例の骨髄生検材料を用いてB細胞のクローナリティを分子生物学的に解析した。光学顕微鏡下にリンパ濾胞・リンパ球集簇巣を保証して細胞集団を採取しPCR用DNAサンプルを作製した。免疫グロブリンH鎖の超可変領域であるCDR3領域をターゲットにしたnested PCRを施行しPCR産物をサブクローニングし大腸菌へ導入した。得られたコロニーからDNAを抽出し,再度PCRを施行してクローニングされた組換え体の塩基配列をdideox...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inJOURNAL OF THE KYORIN MEDICAL SOCIETY Vol. 35; no. 2; pp. 193 - 201
Main Authors 山口, 和克, 西村, ゆう, 倉田, 厚, 藤岡, 保範, 柳澤, 昭夫, 岩崎, 琢也, 松谷, 章司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 杏林医学会 2004
The Kyorin Medical Society
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0368-5829
1349-886X
DOI10.11434/kyorinmed.35.193

Cover

More Information
Summary:骨髄穿刺吸引材料あるいは骨髄生検材料において,リンパ濾胞・リンパ球集簇巣が認められることがある。本研究では,これらが反応性増殖であるのか腫瘍性増殖であるのかを解明するために,11症例の骨髄生検材料を用いてB細胞のクローナリティを分子生物学的に解析した。光学顕微鏡下にリンパ濾胞・リンパ球集簇巣を保証して細胞集団を採取しPCR用DNAサンプルを作製した。免疫グロブリンH鎖の超可変領域であるCDR3領域をターゲットにしたnested PCRを施行しPCR産物をサブクローニングし大腸菌へ導入した。得られたコロニーからDNAを抽出し,再度PCRを施行してクローニングされた組換え体の塩基配列をdideoxy法により解析した。その結果,11症例中9症例でpolyclonal patternが,2が症例でmonocloan patternが認められた。これらの結果から,骨髄中のリンパ濾胞・リンパ球集簇巣は主に反応性増殖であることが示唆された。
ISSN:0368-5829
1349-886X
DOI:10.11434/kyorinmed.35.193