治療抵抗性妊娠合併特発性血小板減少性紫斑病の2例
【症例1】 30歳代女性.20XX年2月に特発性血小板減少性紫斑病(ITP)と診断され同年3月に妊娠が判明した.妊娠22週から副腎皮質ステロイド療法を開始したが治療抵抗性であった.血小板数維持のためおよそ2週間毎の免疫グロブリン大量療法(IVIG)を要した.妊娠34週1日に前期破水し血小板輸血を行い経腟分娩となった.【症例2】 20歳代女性.10歳でITPと診断され副腎皮質ステロイドなどの治療に抵抗性で20歳時に脾摘術を実施された.妊娠判明時には無治療で血小板数1-2×1010/Lで推移していた.副腎皮質ステロイド療法には抵抗性で,妊娠25週から併用したIVIGでも効果は不十分であった.妊娠3...
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Published in | THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 69; no. 3; pp. 227 - 232 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
北関東医学会
01.08.2019
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Subjects | |
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ISSN | 1343-2826 1881-1191 |
DOI | 10.2974/kmj.69.227 |
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Summary: | 【症例1】 30歳代女性.20XX年2月に特発性血小板減少性紫斑病(ITP)と診断され同年3月に妊娠が判明した.妊娠22週から副腎皮質ステロイド療法を開始したが治療抵抗性であった.血小板数維持のためおよそ2週間毎の免疫グロブリン大量療法(IVIG)を要した.妊娠34週1日に前期破水し血小板輸血を行い経腟分娩となった.【症例2】 20歳代女性.10歳でITPと診断され副腎皮質ステロイドなどの治療に抵抗性で20歳時に脾摘術を実施された.妊娠判明時には無治療で血小板数1-2×1010/Lで推移していた.副腎皮質ステロイド療法には抵抗性で,妊娠25週から併用したIVIGでも効果は不十分であった.妊娠30週5日に常位胎盤早期剥離を発症し緊急帝王切開で出産となった.【結 論】 妊娠中の血小板数維持は母児合併症を減らすために重要である.治療抵抗性の妊娠合併ITPに対して,症例を集積しての検討が必要である. |
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ISSN: | 1343-2826 1881-1191 |
DOI: | 10.2974/kmj.69.227 |