当院における気道ステント留置症例の検討

[目的]気道狭窄病変に対する気道ステント留置は, 低侵襲, QOLの改善などの利点が多数報告されている. 今回当院における気道ステント留置例について検討した. [対象]1996年1月から2002年8月までに当院で気管気管支ステントを留置した21例(男性17例, 女性4例, 平均年齢64.4歳. 延べ25回30個). [結果]狭窄原因は原発性肺癌11例, 食道癌9例, 転移性肺癌1例(肝細胞癌)であった. 挿入部位は気管が13例, 左主気管支が8例, 右主気管支が5例, 中間幹が3例, 気管分岐部1例であった. 留置ステントはZ stent22個, spiralZ5個のほかUltraflex,...

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Published in気管支学 Vol. 25; no. 3; p. 174
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Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2003
日本気管支学会
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Summary:[目的]気道狭窄病変に対する気道ステント留置は, 低侵襲, QOLの改善などの利点が多数報告されている. 今回当院における気道ステント留置例について検討した. [対象]1996年1月から2002年8月までに当院で気管気管支ステントを留置した21例(男性17例, 女性4例, 平均年齢64.4歳. 延べ25回30個). [結果]狭窄原因は原発性肺癌11例, 食道癌9例, 転移性肺癌1例(肝細胞癌)であった. 挿入部位は気管が13例, 左主気管支が8例, 右主気管支が5例, 中間幹が3例, 気管分岐部1例であった. 留置ステントはZ stent22個, spiralZ5個のほかUltraflex, カバー付Ultraflex, Dumonが各1個ずつであった. 合併症は痰喀出困難が4例, ステント内腫瘍増殖が2例, 誤飲, 粘膜浮腫が各1例であった. 全例が死亡したが生存期間は初回挿入から3ヶ月以上の長期生存群10例(117~1049日, 平均450.7日), 3ヶ月未満の短期生存群11例(10~64日, 平均31.1日)であった. 長期群は, 留置後に抗癌治療が可能であった例, 遠隔転移がみられない例などであった. 短期群は, 全身状態不良例, 留置後の痰喀出不良による肺炎などの合併症例であった. [結語]気道ステントの有用性を高めるためには原疾患の病期, 気管支の状態, 患者の全身状態を考慮して症例, ステントを選択することが重要である.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.25.3_174_1