気管支動脈塞栓術後も継続した喀血に対しendobronchial Watanabe spigot(EWS)による気管支充填術が有効であった2例

背景.大量喀血に対する治療法として,気管支動脈塞栓術(bronchial artery embolization;BAE)や外科治療が適応となるが,近年ではendobronchial Watanabe spigot(EWS)にて喀血を治療した症例が多く報告されている.症例1.60歳,男性.7年前よりアスペルギルス症と診断され,喀血にてBAEを繰り返しており,今回,喀血のため入院中に中等量の喀血と呼吸状態の悪化を認めたため,緊急的にBAEを施行した.一時症状は改善していたが,再度中等量の喀血を認めた.再びBAEを施行するも少量の喀血症状が継続したため,気管支鏡にて右上葉の出血を確認後,責任気管支...

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Published inThe Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 36; no. 2; pp. 176 - 182
Main Authors 畑地, 治, ガバザ, エステバン, 高尾, 仁二, 大井, 牧, 伊藤, 健太郎, 田口, 修, 渡邉, 文亮, 内藤, 雅大
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2014
日本呼吸器内視鏡学会
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
Subjects
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ISSN0287-2137
2186-0149
DOI10.18907/jjsre.36.2_176

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Summary:背景.大量喀血に対する治療法として,気管支動脈塞栓術(bronchial artery embolization;BAE)や外科治療が適応となるが,近年ではendobronchial Watanabe spigot(EWS)にて喀血を治療した症例が多く報告されている.症例1.60歳,男性.7年前よりアスペルギルス症と診断され,喀血にてBAEを繰り返しており,今回,喀血のため入院中に中等量の喀血と呼吸状態の悪化を認めたため,緊急的にBAEを施行した.一時症状は改善していたが,再度中等量の喀血を認めた.再びBAEを施行するも少量の喀血症状が継続したため,気管支鏡にて右上葉の出血を確認後,責任気管支(右B^1,B^2,B^3)へEWS充填術を施行した.6日後に再度出血を認め,右B^4とB^5へEWSを充填した.EWS充填術後は喀血症状,咳嗽の改善を認めた.症例2.80歳,女性.喀血を主訴に当科を紹介受診となった.入院加療中に多量の喀血と呼吸状態の悪化を認めたため緊急的にBAEを施行したが喀血症状が継続し,局所麻酔下にて中葉(右B^4,B^5)へEWS充填術を施行し喀血症状は消失した.培養結果では,Mycobacterium aviumが検出された.結語.BAE後も継続する難治性の喀血に対しても,EWS充填術を行うことでより有効な止血を行うことが可能であった.
ISSN:0287-2137
2186-0149
DOI:10.18907/jjsre.36.2_176