当院における気管・気管支炎症性ポリープ8例の臨床的検討
気管・気管支炎症性ポリープ8例を経験したので報告した。8例中6名は男性, 年齢は平均60.6±12.5歳で, 1名以外は重度喫煙者であった。主訴は血痰及び胸部異常影が各3名, 咽頭違和感1名, 発熱1名で, 8例中4例は他に何らかの肺疾患を合併していた。発生部位は気管4例, 気管支4例で, いずれも単発であった。性状は全例表面平滑で半球状が最も多く, また多くが白色調またはピンク色を呈していた。1例のみ高周波スネアで切除した他は鉗子で切除し, ほとんどの例が消失した。病理組織学的には間質浮腫および炎症細胞浸潤を伴う線維性変化が主に見られた。成因として不明である症例が多かったが, 重度喫煙者が大...
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Published in | The Journal of the Japan Society for Respiratory Endoscopy Vol. 22; no. 6; pp. 415 - 420 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
2000
日本気管支学会 The Japan Society for Respiratory Endoscopy |
Subjects | |
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ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.22.6_415 |
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Summary: | 気管・気管支炎症性ポリープ8例を経験したので報告した。8例中6名は男性, 年齢は平均60.6±12.5歳で, 1名以外は重度喫煙者であった。主訴は血痰及び胸部異常影が各3名, 咽頭違和感1名, 発熱1名で, 8例中4例は他に何らかの肺疾患を合併していた。発生部位は気管4例, 気管支4例で, いずれも単発であった。性状は全例表面平滑で半球状が最も多く, また多くが白色調またはピンク色を呈していた。1例のみ高周波スネアで切除した他は鉗子で切除し, ほとんどの例が消失した。病理組織学的には間質浮腫および炎症細胞浸潤を伴う線維性変化が主に見られた。成因として不明である症例が多かったが, 重度喫煙者が大多数であることから, 喫煙による慢性気道刺激が発生機序として関連することが推測された。 |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.22.6_415 |