良性縦隔腫瘍に対する胸腔鏡下手術症例の検討(第25回日本気管支学会総会)

• Published in: 気管支学 Vol. 24; no. 3; p. 188
• Main Authors: 石川, 紀彦, 小田, 誠, 常塚, 宣男, 竹原, 朗, 富田, 剛治, 稲木, 紀幸, 吉光, 聡子, 斉藤, 健一郎, 渡邊, 剛
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 2002; 日本気管支学会
• ISSN: 0287-2137; 2186-0149
• DOI: 10.18907/jjsre.24.3_188_4

【目的】近年, 教室では原発性肺癌, 縦隔腫瘍に対して積極的に胸腔鏡手術を施行している. 今回我々は胸腔鏡手術を施行した良性縦隔腫瘍症例の臨床病理学的検討を行った. 【対象】1995年1月から2001年12月までの7年間に小開胸を行わず胸腔鏡手術のみにて切除し得た良性縦隔腫瘍切除症例14例を対象とした. 年齢は15-76(平均37.9)歳. 男性6例, 女性8例であった. 【結果】腫瘍の占拠部位は前縦隔6例, 中縦隔3例, 後縦隔5例であった. 最大腫瘍径は2-11(平均5.6)cm. 術後の組織診断は気管支嚢腫4例, 成熟奇形腫4例, 神経線維腫3例, 心膜嚢腫1例, 神経節細胞腫1例, 心膜嚢腫1例であった. 手術は全例病変側肋間からのアプローチで施行. 胸腔鏡挿入用のポートを含め計3ヶ所にポートを挿入し, 腫瘍の摘出にはEndcatchを使用した. 手術時間は60-205(平均127.8)分. 出血量は0-200(平均56.4)ml. ドレーンの留置期間は1-4(平均1.6)日. 術後在院日数は6-20(平均10.5)日であった. 術後2例に皮下気腫を認めた以外, 重篤な合併症はなかった. 【結語】良性縦隔腫瘍に対する胸腔鏡手術は低侵襲であり有用な術式と考える.