CREATE-SIMPLEによる推定ばく露濃度と個人ばく露濃度測定におけるばく露濃度の比較

「はじめに」2022年5月31日に労働安全衛生規則等の一部を改正する省令等が公布され, 日本においてもリスクアセスメントを基軸とした自律的な化学物質管理が本格的に導入された. 健康障害防止に対するリスクアセスメントでは, 作業者のばく露濃度を国が設定した「濃度基準値」以下にすること, あるいは「濃度基準値」がない物質についてはばく露を最小限にすることが求められる. リスクアセスメントにおけるばく露評価の手法は, 実測定に基づいたばく露濃度測定のほか, 測定を行わずに数理モデル等を用いてばく露濃度を推定する方法等がある. 実測定によるばく露評価が最も精度が高く, 山本らは評価目的の異なるさまざま...

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Published in産業衛生学雑誌 Vol. 66; no. 1; pp. 26 - 30
Main Authors 山本, 忍, 宮内, 博幸, 保利, 一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本産業衛生学会 20.01.2024
日本産業衛生学会
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Summary:「はじめに」2022年5月31日に労働安全衛生規則等の一部を改正する省令等が公布され, 日本においてもリスクアセスメントを基軸とした自律的な化学物質管理が本格的に導入された. 健康障害防止に対するリスクアセスメントでは, 作業者のばく露濃度を国が設定した「濃度基準値」以下にすること, あるいは「濃度基準値」がない物質についてはばく露を最小限にすることが求められる. リスクアセスメントにおけるばく露評価の手法は, 実測定に基づいたばく露濃度測定のほか, 測定を行わずに数理モデル等を用いてばく露濃度を推定する方法等がある. 実測定によるばく露評価が最も精度が高く, 山本らは評価目的の異なるさまざまなばく露測定法およびばく露評価法を用い適切なばく露評価手順について報告した. しかし, 実測定には高度な測定技術と費用を要する. 一方, 数理モデルによる方法は, 作業条件等をソフトウエアに入力することでばく露を推定し, リスク評価を行うことができるため, リスク低減対策の優先順位付けなどにも効率的に活用できる.
ISSN:1341-0725
1349-533X
DOI:10.1539/sangyoeisei.2023-019-C