62種生薬エキスのアリルハイドロカーボン受容体に対するリガンド活性及びシトクロムP450活性に及ぼす影響

「緒言」1976年から漢方エキス製剤が薬価基準に収載され健康保険で漢方薬の適用が認められてから, 今日では漢方薬は日本の医薬品産業として独特の産業を形成している. 一方, 今日の人口の高齢化は, 様々な成人病の増加をもたらした. これらの疾患は常に慢性に経過し, 急性慢性の感染症には大きな力を発揮した西洋医学においても, その治療には難渋し, 概して有効, 適切な治療法を欠く場合も多い. このような慢性疾患の発症は, 個人の内的な体質条件に左右されることが多く, しかもその病態は個々の臓器に留まらず, 全身的な機能の失調を多く伴うからである. このような状況から, 個別的な対応に優れる漢方医学...

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Published inYAKUGAKU ZASSHI Vol. 135; no. 10; pp. 1185 - 1196
Main Authors 原田, 亜紀子, 杉原, 数美, 渡部, 容子, 山路, 誠一, 北村, 繁幸, 太田, 茂
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本薬学会 01.10.2015
日本薬学会
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Summary:「緒言」1976年から漢方エキス製剤が薬価基準に収載され健康保険で漢方薬の適用が認められてから, 今日では漢方薬は日本の医薬品産業として独特の産業を形成している. 一方, 今日の人口の高齢化は, 様々な成人病の増加をもたらした. これらの疾患は常に慢性に経過し, 急性慢性の感染症には大きな力を発揮した西洋医学においても, その治療には難渋し, 概して有効, 適切な治療法を欠く場合も多い. このような慢性疾患の発症は, 個人の内的な体質条件に左右されることが多く, しかもその病態は個々の臓器に留まらず, 全身的な機能の失調を多く伴うからである. このような状況から, 個別的な対応に優れる漢方医学に関心が寄せられるようになったことが, 今日の漢方医学の普及をもたらした. また, 新薬の副作用による健康被害は多くの人に恐怖を呼び起こし, 薬は効果がなければ意味はないが, それと同時に副作用が少ないということも大切な要素であると考えられるようになった.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.15-00153