イリノテカン活性代謝物SN-38の体内動態及びグルクロン酸抱合に及ぼすタクロリムスの影響
「緒言」 イリノテカン(CPT-11)は, 臨床で結腸・直腸がん, 胃がん, 肺がん, 子宮頚がん, 卵巣がんなどの治療に用いられている抗悪性腫瘍薬である. CPT-11はヒト体内でカルボキシルエステラーゼによって活性代謝物である7-エチル-10-ヒドロキシカンプトテシン(SN-38)に代謝され, 1)I型DNAトポイソメラーゼを阻害することで抗悪性腫瘍作用を発現する. 一方, SN-38は肝においてUDP-グルクロン酸転移酵素(UDP-glucuronosyltransferase;UGT)の分子種の1つであるUGT1A1によってグルクロン酸抱合され, SN-38グルクロン酸抱合体(SN-3...
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Published in | YAKUGAKU ZASSHI Vol. 133; no. 4; pp. 463 - 471 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本薬学会
2013
日本薬学会 |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0031-6903 1347-5231 |
DOI | 10.1248/yakushi.12-00276 |
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Summary: | 「緒言」 イリノテカン(CPT-11)は, 臨床で結腸・直腸がん, 胃がん, 肺がん, 子宮頚がん, 卵巣がんなどの治療に用いられている抗悪性腫瘍薬である. CPT-11はヒト体内でカルボキシルエステラーゼによって活性代謝物である7-エチル-10-ヒドロキシカンプトテシン(SN-38)に代謝され, 1)I型DNAトポイソメラーゼを阻害することで抗悪性腫瘍作用を発現する. 一方, SN-38は肝においてUDP-グルクロン酸転移酵素(UDP-glucuronosyltransferase;UGT)の分子種の1つであるUGT1A1によってグルクロン酸抱合され, SN-38グルクロン酸抱合体(SN-38G)として, 胆汁中に排泄される, 2)UGTは第II相薬物代謝反応において最も重要な薬物代謝酵素であり, 特にUGT1A1はヒト及びラットの肝臓での発現量が多い分子種である. 3, 4)臨床におけるCPT-11の重大な副作用に骨髄機能抑制, 高度な下痢などが知られている. |
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ISSN: | 0031-6903 1347-5231 |
DOI: | 10.1248/yakushi.12-00276 |