ATP受容体の生理機能,特にグリア細胞と痛みに関する神経薬理学的研究
「はじめに」 ATP受容体は, イオンチャネル型受容体(P2X)とGタンパク質共役型受容体(P2Y)に大別される, 現在, サブタイプがそれぞれ7種類(P2X1-P2X7)及び8種類(P2Y1, P2Y2, P2Y4, P2Y6, P2Y11-P2Y14)報告されている. 生体のあらゆる部位になんらかのサブタイプが発現しており, このような発現の普遍性は他の受容体に例を見ない. P2X受容体は, 非選択的カチオンチャネルであり, その構造は細胞膜2回貫通型のサブユニット(約400-600アミノ酸残基)が3分子会合してイオンチャネルを形成している. P2X受容体はP2X7をのぞきすべて細胞外AT...
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Published in | YAKUGAKU ZASSHI Vol. 137; no. 5; pp. 563 - 569 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本薬学会
01.05.2017
日本薬学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0031-6903 1347-5231 |
DOI | 10.1248/yakushi.16-00262 |
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Summary: | 「はじめに」 ATP受容体は, イオンチャネル型受容体(P2X)とGタンパク質共役型受容体(P2Y)に大別される, 現在, サブタイプがそれぞれ7種類(P2X1-P2X7)及び8種類(P2Y1, P2Y2, P2Y4, P2Y6, P2Y11-P2Y14)報告されている. 生体のあらゆる部位になんらかのサブタイプが発現しており, このような発現の普遍性は他の受容体に例を見ない. P2X受容体は, 非選択的カチオンチャネルであり, その構造は細胞膜2回貫通型のサブユニット(約400-600アミノ酸残基)が3分子会合してイオンチャネルを形成している. P2X受容体はP2X7をのぞきすべて細胞外ATPにより活性化され, EC50は1-10μM程度である. P2X7はEC50が100μM以上であるが, それはfreeのATP4-がアゴニストであるためと言われている. P2×4受容体はカルシウムの透過性がNMDA受容体程度に非常に高い. |
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ISSN: | 0031-6903 1347-5231 |
DOI: | 10.1248/yakushi.16-00262 |