“妊産婦のための食事バランスガイド”を活用した栄養教育及びセルフモニタリングについて
よりよい妊娠転帰と児の健全な発育のためには,妊娠期から産褥期にかけて,十分な栄養摂取と食生活および体重管理を確立するための継続的なフォローアップが不可欠である。そこで,料理ベースである“妊産婦のための食事バランスガイド”が,妊婦に対する栄養教育において有効なセルフモニタリングのツールになりうるかどうか検討した。 東京都内の産科施設に通院していた妊娠18週までの42名の健康な妊婦から,2007年12月から2008年9月までに,本研究への参加について文書にて同意が得られた。そのうち,妊娠初期・中期・末期の計3回の24時間思い出し法による食事調査と質問紙調査を完了した36名を分析の対象とした。対象者...
Saved in:
Published in | 栄養学雑誌 Vol. 68; no. 6; pp. 359 - 372 |
---|---|
Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
2010
日本栄養改善学会 |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0021-5147 1883-7921 |
DOI | 10.5264/eiyogakuzashi.68.359 |
Cover
Summary: | よりよい妊娠転帰と児の健全な発育のためには,妊娠期から産褥期にかけて,十分な栄養摂取と食生活および体重管理を確立するための継続的なフォローアップが不可欠である。そこで,料理ベースである“妊産婦のための食事バランスガイド”が,妊婦に対する栄養教育において有効なセルフモニタリングのツールになりうるかどうか検討した。 東京都内の産科施設に通院していた妊娠18週までの42名の健康な妊婦から,2007年12月から2008年9月までに,本研究への参加について文書にて同意が得られた。そのうち,妊娠初期・中期・末期の計3回の24時間思い出し法による食事調査と質問紙調査を完了した36名を分析の対象とした。対象者はブロックランダム化割付により,栄養素・食物レベルで指導を行う介入群Aと料理レベルで指導を行う介入群Bに割り付けた。身体状況及び食物摂取状況の変化を検討した。介入群Bでは副菜のサービング数に有意な増加が示され,3回目調査時には望ましい摂取量の範囲にあった。食事のバランスを整えることに対する行動変容ステージ及びセルフエフィカシーは,介入群Bにおいてのみ有意に改善した。本研究により,個別指導に加えて“妊産婦のための食事バランスガイド”を用いたセルフモニタリングは,健康な妊婦における望ましい食行動の確立に有効であることが示唆された。 (オンラインのみ掲載) |
---|---|
ISSN: | 0021-5147 1883-7921 |
DOI: | 10.5264/eiyogakuzashi.68.359 |