歩行による乱れ気流が排気フードの捕集能力に及ぼす影響の検証
「はじめに」局所排気装置におけるフード, とりわけ外付け式フードの吸引能力は, その周辺に乱れ気流(フードの吸引気流方向とは異なる向きに流れる別の気流)が存在した場合, 容易に低下する. このようなフードの能力低下は, 本来吸引・捕集されるべき有害物質を環気中に拡散させるため, 作業環境の悪化と作業者への不測のばく露を引き起こす原因となる. 主な乱れ気流には, 開放した窓や戸口からの外気の流入, 高熱体等による対流, 作業者や物体の移動に伴う気流などがあり, これらが現場に存在する際には規定の制御風速に一定の上乗せ風速が必要となる. さて, 流入外気や熱対流は個々の状況により千差万別なので予測...
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Published in | 産業衛生学雑誌 Vol. 53; no. 5; p. 162 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本産業衛生学会
2011
日本産業衛生学会 |
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Summary: | 「はじめに」局所排気装置におけるフード, とりわけ外付け式フードの吸引能力は, その周辺に乱れ気流(フードの吸引気流方向とは異なる向きに流れる別の気流)が存在した場合, 容易に低下する. このようなフードの能力低下は, 本来吸引・捕集されるべき有害物質を環気中に拡散させるため, 作業環境の悪化と作業者への不測のばく露を引き起こす原因となる. 主な乱れ気流には, 開放した窓や戸口からの外気の流入, 高熱体等による対流, 作業者や物体の移動に伴う気流などがあり, これらが現場に存在する際には規定の制御風速に一定の上乗せ風速が必要となる. さて, 流入外気や熱対流は個々の状況により千差万別なので予測される風速範囲も大きいのに対し, 作業者等の移動によって生じる乱れ気流は, 移動速度を約2m/sと想定して, おおむね0.5m/sと見積るのが局排設計時の通例となっている1). しかし, 作業場内で2m/sもの歩行というのはいささか不自然な仮定と思われ, また乱れ気流を0.5m/sとする点についても, これまでのところ, その可否を検証した例は無いようである. |
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ISSN: | 1341-0725 1349-533X |
DOI: | 10.1539/sangyoeisei.C11001 |