若年高コレステロール例における血中総コレステロール値の経年的変化 ―高齢高コレステロール例との比較

目的:若年者における血中総コレステロール値の経年的変遷を高齢者のそれと比較した.方法:1992年の健康診断受診者で35歳未満(117例)と55歳以上(38例)の例で,2002年までの10年間にわたり同一症例の血中総コレステロール値と血圧の変化を比較した.結果:若年者のうち1992年当時総コレステロール値が220mg/dl以下であった正コレステロール群では総コレステロール値が有意に上昇したのに対し,221mg/dl以上であった高コレステロール群では総コレステロール値は高値のまま不変であった.一方,高齢者の正コレステロール群では総コレステロール値は変わらず,高コレステロール群ではむしろ低下する傾向...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in人間ドック Vol. 20; no. 3; pp. 500 - 503
Main Authors 高木, 伴幸, 細, 隆信, 近藤, 渓, 林, 美里, 土井, 拓哉, 辰田, 仁美, 坂本, 浩一, 菊岡, 弘芳
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本人間ドック学会 2005
日本人間ドック学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1880-1021
2186-5027
DOI10.11320/ningendock2005.20.500

Cover

More Information
Summary:目的:若年者における血中総コレステロール値の経年的変遷を高齢者のそれと比較した.方法:1992年の健康診断受診者で35歳未満(117例)と55歳以上(38例)の例で,2002年までの10年間にわたり同一症例の血中総コレステロール値と血圧の変化を比較した.結果:若年者のうち1992年当時総コレステロール値が220mg/dl以下であった正コレステロール群では総コレステロール値が有意に上昇したのに対し,221mg/dl以上であった高コレステロール群では総コレステロール値は高値のまま不変であった.一方,高齢者の正コレステロール群では総コレステロール値は変わらず,高コレステロール群ではむしろ低下する傾向を認めた.血圧は若年の高コレステロール群でのみ有意に上昇した.結論:以上より,若年者における高コレステロール例は将来も長期にわたって高コレステロール状態に暴露され,血圧も上昇しやすくなる可能性が示唆され,若年齢からの積極的な健康教育が重要と言えよう.
ISSN:1880-1021
2186-5027
DOI:10.11320/ningendock2005.20.500